かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

心に刺さった本

18世紀のシベリア探検

スティーブン・R・バウン「青狐の島」という本を読んでいます。 デンマーク人、ヴィトゥス・ヨナセン・ベーリングのカムチャツカから北極海、アラスカ半島への冒険の記録です。お察しの通り、ベーリングさんは、最後の秘境と言われたカムチャツカ東岸から先…

若林悠「風刺画が描いたJAPAN」国書刊行会

風刺画は、その対象とする読者の国や時代を強く意識して当てこすりなどで笑いを誘う描き方をされます。例えば子供が喧嘩しているその顔がその時の権力者に似ていたりする。そうするとこの本で示される大政奉還から太平洋戦争終結までという、遠く隔たった国…

原田ひ香「三千円の使いかた」中公文庫

インデックス投信、退職金特別キャンペーン金利、ポイ活なんて言葉が出てきますが、この本ではそれはあくまで小道具。お金の問題にぶつかった時の、不安やとまどいといった感情に丁寧によりそって話を展開していくところに主題があります。例えば、美帆は、…

オド・マッソ「ホームレス救急隊」共栄書房

副題は、フランス「115番通報」物語。日本の119番にあたる救急電話はフランスでは15番です。それに準じてホームレスのための緊急避難電話を作ったグザビエ・エマニュエル氏と組織であるSAMUソシアルのバンド・デシネ*1。 ・人間は4つの要素で出来ている…あな…

連合赤軍と帝国陸軍の類似

連合赤軍が1972年2月に起こしたあさま山荘事件が50周年を迎えます。 下の参考図書に上げましたが、深笛義也「2022年の連合赤軍-50年後に語られた「それぞれの真実」-」を読みました。まず事件へ至るまでの背景が語られ、その後の章で生き残りで刑期を終え…

藤田紘一郎「人の研究を笑うな」ワニ・プラス

寄生虫博士と呼ばれた藤田紘一郎さんの遺作。 好きな研究をやるんだ、嫌いなことはウソをついてでも断る。医学部に嫌われて俸給上昇をストップされても自分を貫いた藤田さんの原点は東京大空襲にあると思います。 焼け死なないように河に入れという兵隊の命…

木谷明「違法捜査と冤罪 捜査官!その行為は違法です。」日本評論社

タイトルの副題「捜査官!その行為は違法です。」という文言が生ぬるく感じるくらい怖い本です。読んでいるうちに、これでもかと警察・検察・裁判所の違法と怠慢で冤罪が生み出された事例の羅列に気分が悪くなりますね。しかも、これって氷山の一角だよね。…

鈴木孝夫「ことばと文化」岩波文庫

・象は鼻が長い 日本語文法の話題ではなく、私たちは「ぞうさん、鼻が長いわね」というとき、形容詞「長い」を言わせる基準はどこにあるのか、という話です。 何かと比べて「長い」と言っているのは間違いない。 例えば「このりんご、大きいね」というとき、…

水谷竹秀「だから居場所が欲しかったバンコク、コールセンターで働く日本人」集英社文庫

年齢不問、性別不問、勤務中の服装自由、タイ語も英語もできなくて全く問題なし、時間になると仕事は終わる、給与は安いけどタイで暮らすならぎりぎりなんとか。 バンコクでの邦人社会は狭い。日本政府から派遣された職員を頂点に、日本からの駐在員、日本企…

早坂信子「司書になった本の虫」郵研社

筆者は宮城県図書館司書として37年勤務した人。オープンリールからレコード、CD、レーザーディスク、ビデオ、DVDといったメディアの変遷、デジタル化の荒波を乗り越えて利用者と向き合ってきた方です。江戸時代の図書館の話。当時書籍は極めて高価で、大商人…

駅バス物件はオワコン

牧野知弘「こんな街に「家」を買ってはいけない」角川新書を読んでいるのですが、大都市郊外の駅バス物件はぜんぜん、まったく売れないそうです。 駅バス物件という言葉を初めて聞きましたが、最寄駅から徒歩ではなくバスに乗り継がないとつかない所にある住…

近藤恒夫「真冬のたんぽぽ 覚せい剤依存から立ち直る」双葉社

ちょっと前だと清原、更に前だと酒井法子、もっと前だと田代まさし。 薬物依存は犯罪とされていますが、その前に病気、依存症なのですね。 覚醒剤は禁断症状がない、というのは初めて知りました。 しかし一度でも覚醒剤を試してしまうと、その快楽を脳が憶え…

ジェシカ・ブルーダー著鈴木素子訳「ノマド漂流する高齢労働者たち」春秋社

「薬もやらない、アル中でもない、ギャンブル依存でもない、まじめに働いていたのに貧困に陥る。それって社会がおかしいのではないか」最近そんな書き込みを見たような気がします。 この本読んでいると悲しくなってきます。 生活を確保するために路上に出ざ…

ジャン・アンリ・ファーブル 平野威馬雄訳「虫と自然を愛するファーブルの言葉」興陽館

ファーブルといえば「昆虫記」ですが、子供の頃に読んだ記憶も憶えてないくらいでしたが、最近、子供用に伝記を借りてきて読んで、その生涯に非常に興味を持ったかたです。これは、昆虫記などの間などに記載された、ちょっとした箴言集を平野さんがまとめら…

森博嗣「アンチ整理術」日本実業出版社

毎日45分しか執筆しないのに年間10冊も本が出る。さぞかし速筆なのだろう、それで仕事術の本を書きませんか、という依頼がたくさん来るそうです。 その効率性で「整理術を」という依頼も来たと。しかし口絵の写真を見ると、めちゃくちゃ散らかっている。整理…

森博嗣「お金の減らし方」SB新書508 SBクリエイティブ株式会社

「僕はお金の増やし方をしらない」冒頭からこれですよ。 大学の助手になって残業手当もつかないのに一日十六時間、土日も大学に入り浸って研究。子供の小学校にはいったことすらない。これだけ見れば立派な昭和のモーレツおやじですね。鉄道模型の線路を庭に…

ロルフ・ドベリ「Think clearly」サンマーク出版

読むの大変かなと思ったのですが、人生が楽になる思考戦略が読み切りで沢山載っているので、中途から読んでもよく、とっつきやすい本です。重要な事柄については、柔軟ではなく頑固に、というのが面白かった。バフェットさんは、会社の売り込みで話を一度し…

アマゾンレビューが炎上、大東京ビンボー生活マニュアル

私の愛蔵本です。本棚を断捨離するため漫画本は全部処分対象ですが、これはボロボロなのでメルカリに出して売れるとも思えず、捨てるしかないのですが、どうしても捨てられません。 今でも売っているのかなーと思ったら、kindle版、中古は文庫版で、コミック…

ヒロユキ氏がずっとフランスにいる理由

勘違いしていました。 ネットの記事、というか発言が面白いのでちょくちょくyahooで取り上げられるものを読んでいるのですが、ずっと「なんでフランスにずっといるんだろう」という理由を、もしかして、カルロス=ゴーン氏と一緒?と勘違いしていました。2ち…

「バビロンの大富豪」再読

再読して思ったこと。 手取収入の十分の一を最初から除いて残りで生活しなさい、とか、しくみのわからない儲け話には投資しないこと、などはもちろん大事なポイントですが、今回はそれらの背後にある古代バビロニアの社会、誰かがお金を渡せば、物や土地を譲…

砂原庸介「新築がお好きですか?」ミネルヴァ書房

持ち家か賃貸か論争、インデックス界隈でも時折話題になります。 持ち家派の人で、住宅借入金等特別控除を知らない人はいないでしょう。 では賃貸住宅の人に公的な家賃補助ってありますか。実は誰でも使えるようなものはないのですね。生活保護費、入居に所…

南部さおり「親の手で病気にされるどもたち」学芸みらい社

怖い本でした。 ミュウヒハウゼン症候群をご存じでしょうか。自分は体の調子が悪いと言って医者にかかる。検査しても何も異常が出ない。本人はあれが痛い、気を失った、血痰が出た、気絶したと言い張る。また検査しても異常が出ない。これ以上やることはあり…

武藤北斗「生きる職場-小さな工場の人を縛らない働き方」イースト・プレス

前回紹介した本とは対極にある会社のお話です。 社員は筆者である工場長ともう一人だけ、残りは全部パートさん。そして、「いつ何時に出勤するか、いつ帰るか自由、連絡はしないこと」「嫌いな作業はやらなくてよい」という会社の実録です。筆者曰く、本当に…

川島徹「メーター検針員テゲテゲ日記」フォレスト出版

おかしゅうて、やがて悲しき、という本でした。 テゲテゲは鹿児島弁で「適当に」という意味だそうです。 雨の日も雪の日も台風の日もメーターを読みとり、端末に入力して請求書をプリントしてポストに入れる。メーターは背の届く高さにあるとは限らない。庭…

平澤正夫「日本の牛乳はなぜまずいのか」草思社

スーパーで売っている紙パックの牛乳がまずい、と思った人にはおすすめです。 ちなみに、私はスーパーで売っている130度2秒間などの高温殺菌牛乳は飲みません。生協の配達品であるパスチャライズド牛乳か、デパートで売っている木次乳業の低温殺菌牛乳を飲ん…

アダム・オルター著上原裕美子訳「僕らはそれに抵抗できない-「依存症ビジネス」のつくられかた」ダイヤモンド社

主としてネットゲーム依存症や行動嗜癖に関する本ですが、アップルウォッチを使うと、顔色が悪いのに「12000歩歩かなくちゃいけないのに、今日はまだ8000歩しか歩いていない」といってあと4000歩歩きに行ってしまう。数字に絡めとられて不快を脱するために行…

チャールズ・エリス「敗者のゲーム」再読

原著第6版の和訳を再読しました。第5章あたりから理解ができない部分が増えてきます。眠くなったところで第15章個人投資家にとっての課題で目が覚めます。そこからは終章までは一気に読めますよ。結構煽っているというか、過激であろうとも言いにくいことを…

原田真知子「「いろんな人がいる」が当たり前の教室に」高文研

誰もが同じクラスになりたくない男の子。特に正論を言う子、おとなしい子、容貌の気に入らない子に対して激しく執拗に攻撃する。給食、掃除当番、委員会などの仕事をまったくしない。お気に入りの子には極端に甘えて見せたりするかと思うと、あっという間に…

三田誠広「天気の好い日は小説を書こう」朝日ソノラマ文庫ほか

ワセダ大学文芸科における「小説創作」講義をテープ起こししたとする三部作の一作目。 前半、近代小説の成り立ちから、文学のジャンル分けまでテンポよく紹介されている。現在そこにある小説の意味が、近代小説発祥の由来をたどってくれることで、頭がすっき…

徳川頼貞「薈庭楽話(わいていがくわ)」中央公論新社

ロンドンにて、ラ・ボエームのミミのアリアをメルバが歌うのを聞く。歌は素晴らしいけど、ミミって病弱で小さい若い女性じゃなかったっけ。目を舞台に向けるとメルバの偉大な体躯と隠せない年齢、うーん。 大西洋航路にて。船酔いで苦しんでいると、隣の船室…