ここでちょっと脱線します。
［注意 役職、人物像、職種などの設定を相当程度改変しています〕
特に印象に残っている支店での思い出を、三つお話します。
一つ目のパワハラは、某課長。
この人、係長時代から、何かと怒鳴り散らすことで有名な方。私が支店勤務2年目のときにやってきました。接する時はかなりびくついていましたが、私が怒鳴られたのは何回もなかったと思います。むしろ繁忙期に課の進行担当になった後輩のSさんの方が大きな声を上げられていたかも。進行状況の把握がまずい、対計画比で遅れているけど対策どうすんだ、しょっちゅう責められていましたね。人が足りないし、バイトは応募が少ないし、残業は予算が足りないからなるべくやるなって話が上から降ってくるし、どうしようもないんだけど、とにかく終わらせないと大変なことになる。人員も時間も限りがあるので、効率を上げるしかないのだけれど、妙案もない。課長は、責任者としてピリピリしていたのだと思います。みんなが見ているのに、大きな声で怒鳴るものだから、副支店長に呼ばれて、あんな言い方したら委縮するだろ、と叱られていました。
私があまり怒鳴られなかったのは、私の年齢のせいもあると思います。私の所属部署の正社員では、なぜか私だけ突出して年齢が高かった。当然部署の課長たちより年齢が上です。それで遠慮があったのかもしれません。
というのも、繁忙期の終わりごろ、実は私の妙なこだわりのせいで、後続作業が遅延し、本社のホールセール部門で悪評がたっていたのを課長が止めてくれていたことを、課長がぼそっと言ってくれたのです。今から考えると何であんなことにこだわったのかなあと思うようなことです。
みんな自分の担当事務を消化するのに必死で、一歩引いた眼で見て改良することを考える余裕すらない。手順書に縛られているから勝手に簡略化して時間を捻出するのも無理。そんな中で、課長は、新しいアイデアを色々考えてやらせていました。与えられた権限の中でやることだったし、すぐに効果の上がるようなものでもなかったから、みんなは、余計な作業が増えていやだな、思い付きに付き合わされて迷惑だな、としか思っていなかったのだと思います。
彼なりに部署をよくしたいと思って色々提案しているのに、みんな自分の思う所を理解してくれない、という思いがたまったところで爆発していたのだと思います。
続きます。
