かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

iDeCoの落とし穴

[お断り:これからお話することは、ごく一般的な例を元に非常にざっくりとした説明をしますので、具体的な適用にあたっては、専門家の助言を得るなどして十分ご検討ください。こちらでは責任を負えかねます。]
非課税投資口座として、1.iDeCo、2.つみたてNISA、3.NISAの順番で説明されている場合が多いですね。
次の図は、iDeCoの非常にざっくりした説明図です。

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iDeCoのイメージ
かかる費用    
①加入時 2,829円(国民年金基金連合会)  
②拠出時 105円/月(国民年金基金連合会)+取扱金融機関運営管理手数料(0円の所もある)+66円(信託銀行) =最低171円/月
③運用指図時 取扱金融機関運営管理手数料(0円の所もある)+66円(信託銀行) =最低66円/月
④給付時 440円/回  

まず結論。わたくし、次のような方には、iDeCoをお薦めしません。
1.退職一時金制度がある会社に勤めている人
2.拠出金総額が大きくならないと見込まれる人
3.拠出時に、年末調整や確定申告による年税額が少ない、又はゼロの人。

順に説明します。

1.退職一時金制度がある会社に勤めている人
定年などで退職の事実が発生すると、退職金の支給が確定します。退職所得は分離課税されるのですが、
(退職金の支給金額―退職所得控除額)×1/2=課税退職所得金額 この金額に課税されます。
※退職所得控除額は、勤続20年まで年40万円、勤続20年以上の部分は年70万円で計算します。
つまり退職所得控除額を超える金額の1/2が累進税率で課税されます。
そしてiDeCoの給付金を一時金で貰う場合、退職金と同年中に貰うのであれば、当然退職金に上乗せで課税対象になります。また年が異なる場合でも、iDeCoの一時金を貰う前年以前14年前までに貰った退職所得で使ってしまった退職控除額は二重には使えません、というしくみになっています。
退職所得控除額を超えるような退職金がでる方は、給付金を一時金で貰おうとするとき、その1/2に課税されます。

2.拠出金総額が大きくならないと見込まれる人
「表 かかる費用」をご覧ください。拠出を始めると、拠出中、休止中、給付までの運用中の期間、いずれも毎月最低66円が信託銀行の手数料として引かれていきます。拠出総額がある程度大きくないと、手数料負けしてしまいます。

3.拠出時に、年末調整や確定申告による年税額が少ない、又はゼロの人。
iDeCoのイメージ」をご覧ください。iDeCoは、拠出時にその年の課税所得から差し引く(所得控除といいます)かわりに、給付時に支給額全額を課税しますよ、というしくみになっています。拠出時に払っている所得税がごく少額またはゼロでは、拠出額は課税所得から差し引かれない場合でも、給付金は全額が課税対象になります。

つみたてNISAやNISAはそうじゃないですね。
課税される場合であったとしても、売却額から取得にかかった費用などを引いた差額、譲渡益部分のみ課税対象となります。
譲渡収入金額―取得に要した費用=譲渡益
iDeCoは、一度始めてしまうと、地味に経費が引かれていく上に、途中で下すことはできないし、給付には全額課税が待っている可能性がある、ということは十分考慮すべきことと思います。