かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

11買い時、売り時

今回は限りなく実際の動きに近い株価の動きをつかって、一括投資をしてみましょう。
株価を20日分作成して、ここで買ってここで売れたらいいなあ、というベストのタイミングを矢印で記入してみました。
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期間が短くて右肩上がりの傾きが大きくて、これで投入できる資金が大きければ、効率がよいですね。しかしこれを現実に適用しようとすると問題があります。
ランダムウォークのところで説明しました。私たちは現在どの地点にいるか、わからないのです。
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おまけに、今、この一瞬から先のことはまったくわかりません。
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ここなの? それともここ?
ということで買うタイミングを最適化することはできません。せいぜいその日のうちの安い値段を指値(値段を指定して買い注文を入れること)して買うことができるくらいでしょう。次に売るタイミングです。これも問題ありそうです。
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運よく、図中の「買う」の時点で買えたとしても、その先どんな風に株価が動くのかわからないので、もっと上がるかな、それともこれから下がるかな、と迷って決められないでしょう。運よくぐっと右肩上がりになったタイミングで売ることができればラッキーですが、まだ上がるかもと思っているうちにずるずる下がって売るタイミングを逃すかもしれませんね。
しかもそんなに相場に張り付いていても、一日の値動きはそれほど大きくありません。急騰することを期待しても、期待して待っているうちに時間がたってしまうことがほとんどでしょう。それになんだか右肩上がりの傾きがゆるい気がします。よっぽど多額の資金を投入しないと、利幅が小さくて、汗をかいている割に儲けが少ない感じですね。
また、多額な資金を投入すれば、ほんの少しの値段の上下に一喜一憂することになります。なにより、ずっと端末で相場の動きを追っていないといけないでしょう。運よく短時日で利益を確保したとしても、又次買って相場に張り付いて売っての繰り返し。時間は取られるし毎度うまくいくとも限りません。
ということで、こういう短期で売買利益をとろうとするような行動は、限りなく丁半ばくちに近いものになります。資金も必要、冷や汗も必要、お勧めいたしません。
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ではもう少し長期で株を保有する目的で4年分ほどデータを作成し、買ってから売るまでを矢印で表してみました。前回同様、右上がりの傾きが大きいほど譲渡益は大きくなります。買ったときにはその後株価がどうなるかまったくわからないので、図を紙で隠して少しずつ右へずらして開けながら、どの地点で売るのか考えてみると実際例に近づいてまいります。
(ケース1)買ってから3回ほど上下を繰り返して少しずつ株価が上昇したと思った矢先に、どっと下がってしまったので、その後少し上がったところで売ろうかなと迷っているうちにまた下落したので、又上がったところで我慢できず売った。
(ケース2)上下を繰り返しながら、少しずつ底値が上がっていたのに、今度は小刻みに上下を繰り返しながら底が抜けていっている感じだったので、再び上向いたものが2回続いた後、その山を乗り越えた上昇になったので、この辺かなと思って売った。
(ケース3)ずっと持っているつもりで、途中結構上がったなと思った時も我慢していた。しかし急落を迎え、取得した時の株価を下回るに及んで、これ以上の下げが怖くて売った。
(ケース4解釈1)上がろうが下がろうが売らない。今はかなり上昇して評価益が出ているが、今後急落する可能性も覚悟している。
(ケース4解釈2)ぐずぐず迷っているうちにまた上がってきたから様子をみよう。余裕資金だし。

ケース1~ケース4まで、それぞれの購入者の心の声を勝手につけてみました。

ケース4にかこつけてひとつ余計なことをいいます。
この「投資を始めてみたい人へ」の読者のみなさんであれば、ここでの投資は生活防衛資金を確保したうえで余裕資金でやっていることはお分かりいただいている。ということは、途中で売って投資元本+利益を現金で手に入れなくてもいいのではないでしょうか。
株価が下がるからといって、利益を確定して手にした現金を何に使うか。
余裕資金だから、また別の投資に使うんじゃないでしょうか。
もちろんもうこの株は見切りをつけた、乗り換えよう、というのなら全然かまいませんが、また株価が下がるのは嫌だから、まず利益を確定して確保しようというのであれば、もっと短い期間で売ってしまったケース1~ケース3とやっていることは同じです。それより期間が長いだけ無駄だとすら言えます。乗り換える理由が株価水準以外にあるのならもっと早く行動したはずだとも言えます。

前回は、右肩上がりの期待値の国にいれば、一括投資が有利だと申し上げました。
しかし今回の実際に近い株価の動きに当てはめてみると、どうもうまくいかないケースが出てくる。おまけに売らずにもっていたら、もっと利益があがるかもしれない可能性もでてくる。
一回の買い時、売り時を決めるのすら難しいのに、一回うまく利益が出るように売れたからと言って、次回もうまくいくとは限らない。しかも投資を続けていくのであれば、売ってもまた株を買ってしまうだろう。
どうやら一か所で目をつぶって買うのは難点が多いだけではなく、利益が出たら売るという考え方自体も見直した方がよさそうです。

そこで出てくる答えは、
ドルコスト平均法などを用いて、時間分散で買い付け、投資が終わる(=そのお金を使う必要がでてくる)その時まで売らない。
ということになります。