かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

12時間分散

一定の期間ごとに同額を均等に投資して株を買い付けていく、ドルコスト平均法
ではどんな間隔でどんな額を投資していけばいいの?
私なりの結論を先に申し上げますと、無理なく、ずーっと続けられる間隔と金額でやりましょう、ということです。
自動で積み立てられる投資信託なら月以下の間隔で。100円から買うこともできるので、毎日というのもありです。
個別株は、売買単位というものがあり、銘柄により数万円~数百万円までの幅がありますから、毎月は難しいでしょう。毎回同じ銘柄を買うのではなく、順次違う銘柄を購入するという選択肢もあります。また、1000円で買える株、とか、売買単位をもっと細かくした単位で買えるサービスもあるようです。
(ここでお気づきと思いますが、いままでわたくしは、株価一般で話を進めておりまして、個別具体的な金融商品のことには触れておりません。先進国株式を対象とした投資信託か全世界株を対象とした投資信託で信託報酬の安いものをお薦めします、とだけ言っておきます。これはまたいずれ)
ドルコスト平均法というと、大体月単位以下をさして、それ以上になると全額ではないけれども一括投資、という区分で考えてよろしいかと思います。
時間分散もドルコスト平均法と一括投資は、程度の問題ということですね。
まとまった投資資金がある方から「右肩上がりの傾きが期待できる場合には、なるべく大きな金額を一度に投入する一括投資が有利だから、何回かに分ける程度で投入してしまいたい」というご要望が出るのはもっともです。
実はわたくし、話の締めくくりに、「20日、4年間ではなく、もっとずっと長期になると最終的には右肩上がりになりますよ」というストーリーを想定していました。
ところが、実際の株価を調べてみると、ぜんぜんそうではない。ここでは過去2つの事象を紹介します。
一つ目は、日本。失われた30年と呼ばれています。1989年から1990年のバブル崩壊直前に一括投資していた場合、やっと今年元本割れを脱したという状態になります。
二つ目は、アメリカ発の世界恐慌。S&P500(米国500社の株価指数)が1929年8月の高値から暴落、元本割れを回復したのは1954年9月で25年かかっています。
この2つが起こる確率はかなり低いでしょう。でも起こりました。
例えば崩壊直前の二年間で何回かに分けて投資をしていたらどうでしょうか。
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結果として、下落し始めてから買っているだけ全額一括投資よりましですが、それでも28年位浮かばれませんね。
できるだけ早く分割して資金を投入完了してしまう、ということは、確率は低いが暴落というリスクを覚悟して受け入れることと同じです。

ですから、暴騰しようが暴落しようが、一定額を投資し続ける、それが平均単価を引き下げることになって、将来起こる暴落のショックを和らげることができるし、右肩上がりになれば、じょじょに追加の利益が生み出される、といいな。
ということです。「いいな」というのは、未来がわからないからです。
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ランダムウォークとどう付き合うか
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さて、未来がまったく予想できない上、遠い未来になるほどそのわからなさのブレが大きくなるという現象を前にしてできることは何かないか、ということで、
過去の経験則から、統計学の手法を使って確率的に評価するという考え方が出てきました。
過去現在未来のすべての株価を母集団、過去の実際の株価の動きを抽出した標本と考えて将来おこりそうな株価の幅を確率的に考えて投資しようとするものです。この株価の幅をボラティリティといい、その幅の大きさをリスクと考えます。不確定性が強いほど危険が大きいだろう、とする考え方ですね。
あくまで確率的に、です。
ですから過去の経験則から確率が低いと思っていても、最悪の結果になることがある、ということは覚悟しなければなりません。

ここでもう一つ思ったのですが、この結果というやつですが、いつ出るのでしょう?

それは、売った時でしょう。売って利益か損失が確定した時でしょう。
だったら投資した時から今現在までの2点間を結んだ直線の傾きがマイナスなら、プラスになるまで待つというのはどうでしょうか。
またどうしても投資の額を生活その他のために取り崩さなければならないのなら、それは最低限にとどめる。一括投資をしないのと同じく、一括売却をしなければよいのでは。
これが出口戦略というやつです。

リスクと出口戦略は項を改めて考察します。