かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

研修講師としての話し方

勤め人時代、研修講師を結構やりました。その時感じたことをお話します。
・準備
まずですね、準備なんですが、これ大体研修時間の10倍かかりますね。30分話して質疑応答して、というものに配布資料や説明内容の原稿作り、しゃべりの進行表も含めて300分、5時間程度かかります。スケジュール迫っていれば、やっつけ仕事になりますが。
本社指示で研修会の講師を務める場合、本社に集合してまず“講師を務めるための研修”を受けて、資料や場合によってはそのまましゃべるアナウンス原稿までくれる場合もあるのですが、これとて内容を理解したうえで、自分の言葉にある程度置き換えて用意しておかないと、ただ棒読みになって、聞いている方は寝ちゃうわけです。
・初めの挨拶
これとっても大事です。いきなり本題にはいってはいけません。季節の話題とか時事的な話題とかダジャレでも構わないんですが、なんでも材料にして、当日の研修内容の入口にいざなえるような話し方をできればベストです。それが出来なそうであれば、振りの話題ののち、「それでは」と区切って「本日の研修では、これこれこういう内容をお話させていただきます」と区切ってもかまいません。
・しゃべるスピード
緊張すると、多分緊張するでしょう。絶対聞いている方にとって早すぎるスピードになってきます。こういう時は、一度話を切った時に、大きく深呼吸しましょう。講師が緊張していると聞いている方も緊張して疲れ、持続ができません。
・板書、PC画面のプロジェクター投影、手元のテキストを見てもらうとき
どこの何を見てもらうかはっきり伝え、待ちます。教材を開いたり、目を向けたり、とざわついた雰囲気が収まるまで一呼吸おいてください。
・話すときの目線の方向
聴いている方の目を順番に見ていってください。「ほかでもない、あなたに話しかけているんですよ」というサインです。話している方も、自然と目を合わせてくれる方に順番に目がいきますが、それで結構です。たまには下を向いている方にもちょっと笑顔を向けながら話してください。マスクをしていても、笑顔になっていることは伝わります。
・話の区切りに沈黙を
また話すスピードが速くなることのほか、沈黙が怖くなって、ずらずら連続して話してしまいがちです。話題が区切れたところで暫く黙ります。
沈黙が怖いと思ったら、「黙っている間、聞いている方に知識がしみ込んでいる」ということを感じてください。受け取る方も染みる時間が必要です。
・話の途中に喉が渇く
緊張していれば余計にそうなります。飲料持込可であれば、一言断って飲みましょう。体をリラックスしてリフレッシュ、再出発するリズムを作れます。これは聞いている方もそうです。和やかな雰囲気を演出できる効果もあります。
・時間スケジュール
机上に時計と経過時間及びその時までに完了すべき話題の主題が書いてある進行表を持っていると思いますので、時間の経過を時折気にしてください。一番良いのは、事前に「エアー授業」一人で時間を見ながらしゃべる練習をしてください。一回やるだけでも効果があります。時間の使い方と話題の内容に無理がないか、うまくしゃべれない理解不十分な部分がないか、チェックできます。
・あほなエピソードをはさみたくなった時
これは研修の内容や主催者の雰囲気によります。あくまで研修内容に関連することにしましょう。ただし録音されても大丈夫な内容にとどめておいて方が無難です。以前は「ここだけのはなし」でたるんだ雰囲気を引き締めて耳を傾けてもらえる武器にできたのですが、録音されるとどう伝わるかわかったもんじゃありませんね。また、ジョークがすべって雰囲気が冷たくなった時のことも想定して、さりげなく元の話に戻る練習も必要です。
・質疑応答
トピック終わりごとに質問を投げかけ、全トピック終了後に全体を通じて質問がないか投げかける形が多かったと思います。事前に想定問答まで作っておくのが理想ですが、そこまで時間を取れない場合もありますね。場合によっては、持ち帰って講師側の宿題にする、ということもあると思います。
・締め
全体をざっと振り返って、今日お話した内容をさわって結論を紹介して終了します。これは内容の印象付けで、後味をつけて、研修を受けた側が持ち帰るイメージを印象付けるためのものです。

大分前のことではありますが、私の経験から思いだしたことを書き連ねてみました。