かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

ETF2559とeMAXISSlim全世界株式の実質費用の違いなど

今回は、
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信(銘柄コード2559)と
eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)
という、同じ運用会社、同じ指数の商品を、請求目論見書、運用報告書、決算短信から比べてみようと思います。以下、MAXIS上場投信を「ETF」、eMAXISSlimを「スリム」とします。
[相違点]
ETFは、収益から費用を引いた残りからしか分配金を出せませんが、スリムはそれを超えて分配することができる。特別分配金と呼ばれる、実質元本の払い戻しですね。これは規定上のことであって、実際に特別分配金を出すようならば即売りですね。今のところ問題ありません。
分配方針は、ETFもスリムも書いてあることは同じですが、ETFは実際決算ごとに分配金を出しているのに対して、投資信託は出していません。これも商品特性を考えるとまあ当たり前ですか。
費用負担は、信託報酬率がまず異なります。
ETFは、ファンドの計算期間を通じて毎日、信託財産の純資産総額に年0.0858%(税抜年0.078%)以内の率を乗じて得た額
スリムは、ファンドの計算期間を通じて毎日、信託財産の純資産総額に、年0.1144%(税抜0.104%)以内の率を乗じて得た額
これはETFの方が安いです。百万円で858円、投資信託百万円で1,144円というところ。ETFは売買単位が一口で今12,180円位、市場で売買されている限り信託財産の株バスケットは切り離されています。これに対してスリムは多くの証券会社で100円から購入と解約ができますし、信託財産に直接お金が出入りしますので、事務上の手間が異なります。
それから、スリムは、純資産総額が増加すると、信託報酬率が下の表のように3段階に分かれるようになっています。eMAXISSlimシリーズの特徴ですね。
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2021年5月15日現在、純資産総額は1500億円を超えていますから、
1,000,000×1/3×0.1144%(税込)+1,000,000×1/3×0.11385%(税込)+1,000,000×1/3×0.1133%=1,138円先ほどの計算では1,144円ですから誤差の範囲ですか。

他費用負担は、ETFは追加上場関連費用の負担がありますが、とりあえず無視します。後述する決算短信からの実質費用負担で含めて考えればよいと思います。
またスリムは、分配金受取コースと分配金再投資コースに分かれています。これも収益分配金を税金控除後に現金で支払うか、自動的に再投資するか、という違いであり商品構成上の違いに影響はないのでここで一言触れて終わりとします。
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これはETFの2021.3.26付請求目論見書から持ってきた、日本株式インデックスマザーファンドの注記ですが、ETFとスリムがなかよく膝を並べておりました。
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スリムの2020.4.27運用報告書から抜粋したものです。実質費用負担率は0.209%。
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こちらはETFの2021.1.14付決算短信から抜粋したもの。
(受託者報酬304,599+委託者報酬883,281)÷0.0858%=1,384,475,524.47(基準価格積数)
支払利息3,344+その他費用1,208,817)÷1,384,475,524.47=0.087553804%
0.0858%+0.087553804%=0.173353804%実質負担
やり方があっているかどうかわかりませんが、出てきた数字がまともなのでとりあえずこれを信じることにします。純資産総額にこの負担率を掛けるということですから、大体時価(ほぼ基準価額)×口数に負担率を掛けたものが年率の費用負担と思ってよいのではないでしょうか。
とすると、例えばETFの自分の持ち分が百万円だとすると、
1,000,000円×0.173353804%=1,733円という感じですか。これがスリムだと
1,000,000円×0.209%=2,090円
まとめます。

ETF2559 スリム全世界株式
信託報酬率 0.0858% 0.1144%~0.1133%
実質費用負担率 0.1734% 0.209%
信託財産留保額 0.1% なし

信託報酬率の差が0.0286~0.0275%、実質費用負担率の差が0.0356%。
実質費用の差は、上場投信と非上場の投資信託の手間の差ですが、百万円当たり年357円と推計されました。投資対象にどちらを選ぶかという点については、分配金を受け取りたいか否か、売買単位額投資か100円からか、信託財産留保額を嫌うか否か、つみたてNISAで使えるかなど、実質費用負担以外の要素を見定めて行動すべきであろうと思います。