かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

安全資産は本当に安全か

安全資産というと、現金、預金保険制度の適用がある、銀行ごとに一千万円までの円建て普通預金と定期預金、日本国国債、といったところでしょうか。円という通貨の信認が続く限り、元本は保証されます。
しかしそれは、額面が保証されているというだけで、実質価値が保証されているわけではありません。貨幣の実質価値を減少させる主因としては、対物価と対外国通貨の2種類でしょう。平たく言うと、インフレと円安です。
f:id:otosak:20210515220039p:plain総務省統計局から、2015年基準 消費者物価指数 全国 2021年(令和3年)3月分 (2021年4月23日公表)から4 全 国(年度平均)2 2020年度(令和2年度)平均データを持ってきました。f:id:otosak:20210515220134p:plain消費者物価指数も色々な経路があるわけですが、総合指数で2015年を100とすると2020年は101.7、ということは5年間で1.7%貨幣価値が減少したということです。1.7%^(1/5)で5年間の幾何平均をとると1.11%。今時円の預金で年利1.11%という商品はあるでしょうか。
たとえば税引き後0.08%*1の定期預金に預けていると、1.0008^5=1.004006だから100万円の定期が5年後複利で1,004,006円。一方5年間で1.7%価値が下落するので、1,004,006÷1.017=987,223円。12,777円も価値が減ってしまいました。
次に対外国通貨ですが、為替は金利差、貿易収支、インフレ率の差に大きな影響を受けているといわれています。私はこの辺不勉強ゆえ何とも言えませんが、将来も円を支払って生活していくので、円の価値が急落して輸入品の価格がすごく高くなったりしない限り、円を外国通貨に換えて持っておく必要はないでしょう。むしろ両替による為替手数料負け、外貨での銀行金利や債券金利がインフレ負けする可能性があるので、外国通貨建て定期預金などは意味がないと思っています。
otosak.hatenablog.com
誤解しないでいただきたいのですが、定期預金なんか無駄だから、インフレに勝てそうな金融商品につっこめ、とかそういうことを言いたいわけではありません。貨幣の価値も、物や外国通貨を相手に相対的な価値が変動するといいたかっただけです。実際デフレになると貨幣価値は対物で増加します。でもそうなると今度は給料が下がったり、景気が悪くなったりしますし、外国にいったら給与水準と生活費が上がっていて、円を現地通貨に替えてもすぐなくなってしまう、など必ずしもいいことではないようです。

*1:0.10%*(1-0.20315)=0.079685