かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

オールカントリーか3種混合か

ワクチンの話ではありません。
インデックス投資界隈で人気のeMAXISSlimオールカントリー。
ベンチマークは、MSCI inc.が開発したMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、米ドルベース)指数を元に、三菱UFJ国際投信株式会社が計算した、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)です。
2021.5.8にMSCI指数の作られ方を書きましたが、先に国別市場別にウエイトをつけているわけではなく、株式銘柄を選択してウエイトをつけていった結果、会社の国籍別に国別ウエイトがわかるだけです。株価時価総額の大きい会社は全世界で活動していますから、あくまで目安ですね。
今回はそれを、無理やり日本株式インデックス、先進国株式インデックス、新興国株式インデックス3つの投資信託で置き換えられないか、という試みです。
これだと、各会社の株式時価総額の異動による、日本と先進国と新興国をまたがった順位入れ替えは難しい。というか個人で機動的に割合を変更することは不可能です。そこは固定比率にして、年一回リバランスするみたいな方法を取ったと仮定しましょう。
さて、オールカントリーのマザーを見ると、
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日本株式インデックスマザーファンド
外国株式インデックスマザーファンド
新興国株式インデックスマザーファンド
3本あります。
これをそれぞれ投資信託商品で置き換えられないか。
三菱UFJ国際投信株式会社のホームページを見ると、
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SlimシリーズでもeMAXISシリーズ全体でもMSCIジャパン指数を使った商品がありません。
他社ではブラックロックMSCIジャパン指数を使った商品を出していますが、信託報酬率が0.51%で今となっては高すぎる。しかたがないので、SlimシリーズのTOPIXで代用して、eMAXISSlimのTOPIX、先進国株式、新興国株式で検討します。
私が「これ載せる必要あるの?」と疑問を呈した、総経費率(年率)も運用報告書から参考のため載せておきます。

銘柄 信託報酬率 一万口当たりの費用明細 総経費率(年率)
TOPIX 0.154% 0.159% 0.15%
先進国株式 0.1023% 0.179% 0.14%
新興国株式 0.1870% 0.426% 0.32%
オールカントリー除く日本 0.1144% 0.218% 0.16%
オールカントリー 0.1144% 0.209% 0.16%

総経費率(年率)によれば、新興国株式の割合次第で3本に分けてもよい可能性がでてきました。オールカントリー2021.1.27請求目論見書によれば、日本6.9%、日本除く先進国80.7%、新興国12.4%なので、ウエイト付けしてみると、
0.15*0.069+0.14*0.807+0.32*0.124=0.16301
3本に分けるとやや不利、という結果になりました。

直近の運用報告書から私が独自に算定した実総経費率は、

TOPIX 2021.1.27請求目論見書38,39ページの2020.4.27損益計算書から
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信託報酬率は、ファンドの純資産総額に応じて0.154%、0.1485%、0.143%の三段階となりますが、簡易的に0.154%を使います。総経費率が多めに出ます。
(支払利息18,352+その他費用322,877)÷((受託者報酬2,483,926+委託者報酬14,966,067)÷信託報酬率0.154%)=0.0000301142
信託報酬率0.154%+その他経費率0.00301=0.157%

先進国株式2021.1.27請求目論見書40,41ページの2020.4.27損益計算書から
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信託報酬率は、ファンドの純資産総額に応じて0.1023%、0.100595%、0.09889%の三段階となりますが、簡易的に0.1023%を使います。総経費率が多めに出ます。
(支払利息73,829+その他費用2,141,202)÷((受託者報酬13,813,263+委託者報酬54,029,303))÷0.1023%=0.0000334
信託報酬率0.1023%+その他経費率0.00334%=0.1056%

新興国株式2021.1.27請求目論見書40,41ページ2020.4.27損益計算書から
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信託報酬率は、ファンドの純資産総額に応じて0.187%、0.18645%、0.1859%の三段階となりますが、簡易的に0.187%を使います。総経費率は多めに出ます。
(支払利息44,222+その他費用702,775)÷((受託者報酬4,533,797+委託者報酬38,310,444)÷0.187%)=0.0000326
信託報酬率0.187%+その他経費率0.00326%=0.1902%
先ほど同様、オールカントリーの日本、日本除く先進国、新興国でウエイト付けしてみると、
0.157*0.069+0.1056*0.807+0.1902*0.124=0.119637%

ではオールカントリーはどうでしょうか。
2021.1.27請求目論見書49,50ページ2020.4.27損益計算書から
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信託報酬率は、ファンドの純資産総額に応じて0.1144%、0.11385%、0.1133%の三段階となりますが、簡易的に0.1144%を使います。総経費率は多めに出ます。
(支払利息22,869+その他費用334,756)÷((受託者報酬2,160,145+委託者報酬9,874,741)÷0.1144%)=0.00003399
信託報酬率0.1144%+その他経費率0.00339%=0.1178%
0.001837%オールカントリーが少ないですが、誤差の範囲です。

今回はすっきりとした結論になりました。
経費率はほぼ互角かオールカントリー優勢、株式価額総額のウエイトが多い会社や地域に自然に重心を移してくれるという機能から見ても、オールカントリー一本がよろしいです。
願わくば、末永く運用を続けていってもらいたいものです。