先日の記事全世界株式インデックスファンド5種比較 - かけこみリタイヤ―のダイヤリーで、みごと実経費率低廉第一位に輝いた“SBI・全世界株式インデックスファンド”の内容を見ていきます。
交付目論見書(2021.2.13使用開始)によれば、対象インデックスは、FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース。)ロンドン拠点のFTSE社の指数で、大型・中型株から小型株まで含む48ヵ国の約8,000銘柄で構成され、世界の投資可能時価総額の98%をカバーしているそうです。
といいながら、実際は次の3つのETFを買い付ける3つのマザーファンドに出資します。
投資対象銘柄 | 基本投資割合 |
(1)シュワブU.S.ブロードマーケットETF | 55% |
(2)SPDRポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF | 35% |
(3)SPDRポートフォリオ・エマージングマーケッツETF | 10% |
2020.11.12交付運用報告書による実際の比率
ティッカー | 投資対象銘柄 | 実際投資割合 | 総経費率 |
SCHB | (1)Schwab US broad market ETF | 53.9% | 0.03% |
SPDW | (2)SPDR portfolio developed world ex-US ETF | 35.2% | 0.04% |
SPEM | (3)SPDR portfolio S&P emerging markets ETF | 9.8% | 0.11% |
(1)について
指数はthe Dow Jones U.S. Broad Stock Market Index。2005.4.22まではヴァンガードのVTIも同じ指数を使用していました。米国株式市場のほぼ100%をカバーします。純資産総額は2021.6.18現在20,803百万USD。
(2)について
指数はS&P Developed Ex-U.S. BMI Index。米国を除く先進国株式市場全体をカバーするらしいです。日本も入っています。純資産総額は2021.6.18現在11,617百万USD。
(3)について
指数はS&P Emerging BMI Index。新興国株式市場全体をカヴァーするらしいです。純資産総額は2021.6.17現在6,392百万USD。
(1)(2)(3)共、S&Pダウジョーンズ・インディシーズ社の所有指数です。
純資産総額は1ドル100円近傍として、百万USDを億円に読み替えると大体の規模がわかります。いずれも巨大な残高ゆえ長期投資対象としては安心できます。
SBI・全世界株式インデックスファンドに戻ります。
設定日は2017.12.6で11.12が決算日。今まで2018.11.12、2019.11.12、2020.11.12と3回決算を迎えていますが、いずれも分配金は0円。累計分配額も0円です。
したがって、3つのETFから分配金を受け入れる際にかかった米国源泉税は払いっぱなしで、90%相当額を収益で受け入れておしまい。外国税額控除をする機会はありません。2020.11.12運用報告書の、ベンチマークとの差異の内容説明でも「投資先ETFからの分配金に対する課税等」として触れられています。
信託財産の98.2%がマザーファンドの受益証券で、残りはコールローンその他になっていますから、「FTSEをベンチマークとして」いる理由がよくわかりませんが、3つのETFのベンチマークを足すとFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに等しくなる、ということなのでしょうか。
ファンド・オブ・ファンズの欠点は、投資先ETFと信託報酬等経費が二重にかかることですが、低廉な米国ETFを選び、ETF買うだけファンドにして自身の経費を抑えることで、実経費率を低廉に押さえています。
2021.6.18現在純資産総額は261億円ありますから、いまのところ長期投資対象として問題のない規模です。