かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

日本企業のダメな制度と風土

私がまだ投資家とは言えない時期、ばりばり勤め人の時に会社組織の法的枠組みを傍目で見ていて思ったことなんですが、アングロサクソン人種に圧倒的に劣る部分がありますね。

ルールを作り出す力がない
例えば、F1ですがホンダが一人勝ちしていた時代に規則をホンダに不利になるように次々に変えられて、そのことに憤っていた日本の人たちがいました。
勝つために対策を打つ、というその対策の中にルールそのものを政治力で動かすというのがあります。ルールを与件としてその中で汗をかくのは日本人得意そうですが、一歩離れてそのルールどうなの、と問うてみる視点はあったのでしょうか。こういうメタ思考*1が不得意である人が多くないですか。
またルール改変は、圧倒的勝者を生み出さない知恵であると共に、共通条件の中で栄える、競い合いを是とし、それを見せることにより観客を引き付け続けるという側面もあるでしょう。どちらが勝つか分からないからハラハラする、手に汗握る。いつも特定チームばかり勝っていては面白くありませんもの。

ブームは黒船が持ってくる
私が勤め人の間に会社にまつわる制度に関して何回もブームがありました。
・固定資産を購入しないでリースする
・分社化と持ち株会社
執行役員制度
・報酬委員会の設置
社外取締役
連結会計
税効果会計
ざっとみて挙げてみましたがこの中に日本発のやつ、あります?また、日本企業が採用して何か良くなったこととか、役に立ったこととかあるのでしょうか。
しくみが複雑になっただけという気がします。専門家は喜ぶわね、飯の種が増えるから。

製品づくりに職人的自己満足があった
近年は職人的自己満足はなくなって、上げ足を取られないための言い訳しか書いてないですよね、取扱説明書。
日本製パソコンを買って箱を開けた時、ワクワクする、のではなく、うんざりしましたよ。マニュアルとスターターマニュアルと簡易マニュアル、それぞれの正誤表、いったい最初に読むのはどれ?どういう順番で読むの。読まないと使えないの?
やっと電源を入れたと思ったら、いったいどう進むのかいな。マニュアルと画面と交互に見て首が痛くなるわね。
一方、まだ日本語版がないころのキンドル。箱を開けて、電源スイッチを押したときの「welcome 〇〇〇〇(←個人名)」と画面に出た時の驚きと期待。
ipadなんてマニュアルすらいらなかった。
勝負にならんわね。
良い製品を作ればお客様は自然と支持してくれるはず、って思っているのでしょうけど、じゃあ良い製品ってなに?
故障しないとか仕上げがしっかりしているとか、そりゃよい製品の条件に上げてもいいけど、何より使いやすいというのが一番目に来なかったら、品質がいくら良くても見向きもされないのじゃないですか。順番が間違っていますよ。

わたしが長期投資として全世界株インデックスでいいや、ことさら日本株に投資の焦点を当てる必要ないんじゃない、と思っているのは、その辺の日本発株式会社が共通で持っているDNAに失望しているからですね。
もちろんPERが十分に低い、株価が割安であれば日本株を買うにやぶさかではありませんよ。でもそれはイノベーションによる飛躍を期待しているのじゃなくて割安だからいずれ適正値段に上昇してくるでしょうという消極的な期待だけですから。

ついでにいうと、S&P500は1929年から簡単にエクセルデータが入手できるのですが、TOPIXは最近10年分以外いったいどこにいけばあるのでしょうか。

寄らしむべし、知らしむべからずの国。飛躍的な発展は望めませんわね。

*1:所与の条件を単なる一つの現象として眺めること、当然そうなっているだろうと思わずに疑いを持つこと