かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

「バビロンの大富豪」再読

再読して思ったこと。
手取収入の十分の一を最初から除いて残りで生活しなさい、とか、しくみのわからない儲け話には投資しないこと、などはもちろん大事なポイントですが、今回はそれらの背後にある古代バビロニアの社会、誰かがお金を渡せば、物や土地を譲ってくれたり、労働提供してくれたりする、そういう貨幣を媒介とした相互信頼が社会にあるからこそ、富が蓄蔵できるんだなと思いました。
だって多分古代バビロニアが栄えたとしても、その後蛮族が侵入してすべて破壊してしまったとしたら、人も社会もちりぢりになってしまったら、貯めていた富は無になってしまうじゃないですか。
貨幣と信用がない世界を想像してみてください。
穀物の種を貯蔵しても、継続的に撒いて育てないといずれ腐ってしまう。物々交換に出しても欲しい物とうまく交換できるかどうかわからない。金や銀そのものは加工してほしいという人が出てこない限り無価値です。土地は囲って見張っていなければ誰かにとられてしまう。富を蓄積して増やしていくなんて不可能です。
もう一つは、古代バビロニアだけでなく、今でも相手の信用度を自分で測らなければならない場面があるということ。
専門家に仕事を依頼する場合に、事前にどの程度支払額に見合った能力を発揮してくれるのかわかりませんし、建築工事などは出来上がった後でも隠れてしまった部分がきちんとしているかどうかわかりません。依頼する場合に、見積書を読み、わからないことや疑問点を質問し、その返答の仕方を見て、お願いするかどうか決めていると思います。まさに相手の人物を測っています。
ネット上で口コミが公開されている業界もありますが、悪口についても判断が必要です。本当にダメな業者なのか、意思疎通がうまくいかず、顧客である自分と受け側である業者の行動作業がうまく展開されずに残念な結果になったのか、客側が無茶な要求ばかりしたか、自分の要求をうまく伝えられずに不満で終わったのか、読み手が判断しなければなりません。
今回は投資のコツを紹介したエピソードの背景に気持ちの焦点が当たりました。