かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

辞めていった部下のはなし

私がしがない中間管理職だった時代に、転職していった部下の話です。
一人は東京外大卒で、入社3年目に私の課に配属されてきました。ちょっとおっちょこちょいで引継ぎ人事評価では“やや仕事が粗い”とのこと。事務処理部門でこれはマイナス点になっちゃいますね。でもきっちりできる人が沢山いるわけでもなし、そういう人は取り合いになりますから、まあ普通だろう、様子見かな、って感じでした。
と思ったら、確かに抜けている所はあるにせよ、きちんと処理をしていく。特に窓口対応ではわけのわからない国の言葉を話す人がくると必ず引っ張り出されて英語で応対をうまくしていました。英米学科卒じゃないんですけどね。
休み時間にもずいぶんと勉強している姿を見ていたので、節目となる次の移動で外国法人営業を希望してきたので、その旨私の上司にも伝えて希望が通るように祈っていました。ところが上司から人事関係からの話を漏れ伝え聞いたところによると、零細法人の営業部門を経験するなりして、目立つ成果が上がるようならその後一本釣りしてもいいようなことを言っているらしい。当社で外国人対応できる人は非常に少ないし、近年ますます必要になってきているのに、なんて旧態依然としているんだろう、と呆れました。
結局、彼は年度末に国際的な会計事務所へ転職していきました。
もう一人は、新人として私の課に配属になった人です。法科大学院を出て司法試験に合格、司法研修所修了というなんでうちに来たの?という感じの人。掃き溜めに鶴。実際業務についてもらうと、分からない所はマニュアルや端末で調べたりして飲み込みのはやいこと。わたしなんか、処理の間違いを、根拠出して指摘されるほど。もちろん事務処理もばっちり。なんでも学生時代に本社大規模法人担当部門でバイトしたことがあるらしく、そちらでの評判も上々。だったら翌年の移動でさっさと実力発揮できるような所に本人も希望しているんだから配置すればいいのに、またどぶ板やってから、前例がないの一言で他の新人と同じような扱いで零細法人担当に。結局半年後に弁護士事務所に転職していきました。
こちらも、本社人事は頭が古臭いし、専門部隊は徒弟制みたいに人を試すし、予想はしていましたが、時代のスピードに全然ついて行っていないことに失望し、これじゃあ優秀な人材程早く辞めるわね、とがっかりしたものです。
それから追い打ちのように、事務の流れを少しの予算で改善して、大幅に時間を縮小できるような策を提案したのですが黙殺され、さらに訳のわからないお金がかかるけど効果のほどは疑問なシステムを本社が一体となって推進するというので、実務を全く理解しようとせずに新しいしくみを導入しようとする本社企画に呆れ、そんなことも、私自身が「もうこんな会社辞めたい」と思う強力な後押しになっていたのだと思い出しました。
人の流動性が上がって、あほらしい組織や仕組みからは、どんどん人が逃げ出していくことを切に願っています。