かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

自伝作家の子供は家出する

椎名誠さんの息子さん、勝間和代さんの娘さんも家出しました。
当然だと思います。
自分の家族のことを書いて発表する。それは第三者視点で書こうが、私小説形式で書こうが、いずれにせよ作者の感じた外界を言葉に取り出して再構築したものにすぎない。そこに登場する人物のリアリティが増せば増すほど、読者からは本当のことらしく見える。そこがまた作家の腕なんですけれどね。
それは、実在の人物からするとたまったもんじゃありません。
書物の中にありありと書かれた人物は、どんなに客観的に描いたと作者が弁明しようが妄想の産物、思い込みの産物ですから。
そしてノンフィクションらしき体裁をとった小説であれば、さらに多少面白くするために“盛る”ことも無意識のうちにやってしまうでしょう。或いは、作者が重要だと思ったことを長々と、関係ないと思ったことはバッサリ切捨てている。時間を伸び縮みさせて編集して演出する。デフォルメした絵画みたいに。
始末に悪いのは、中身はデフォルメした抽象画なのに写実画や写真のように見えてしまうこと。
そして作者の家族と近しい人が、作品を読んで、その家族に対する認識を補強していって、それで会いに来たらどうですか。
勝手に決めつけんなよ。
と思うでしょうね。
だから家族や身近な人のことをブログに書くときも気を付けないといけませんね。どんなに客観的公平に書こうとしたって、ある個人からの私的な目線であることからは逃れられないのですから。思い入れと思い込み、両方を盛り込んでつい書きたくなってしまうのが文章書きの性ではありますが。