かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

人生キャッチフレーズ作成のすすめ

私が23歳の時、新入社員集合研修がありまして、いくつかの班に分かれて研修を受け、終了時に各自のサービス版写真とその横にサービスサイズのメッセージを入れた小冊子を作って貰いました。そこに入れたメッセージです。
20代・めざせ複路線型人間
仕事は猛烈に忙しいかもしれないけれど、仕事ばかりじゃなくて、それ以外の世界を持ちたい、という願いを胸に抱いていたので、それを同期同伴のみんなにアピールしたのですね。これがそのまま20代のキャッチフレーズ、座右の銘、生きる指針となりました。
もちろん、なかなかフレーズの通りにはいきませんで、忙しすぎて趣味や恋愛に割けるエネルギーが枯渇したり、病気になったり、私生活では自分に閉じこもったりとなかなかうまくいきませんでした。
しかしこれを契機に自分の中で「10年ごとに、自分なりの生き方の方針、外からは見えないかもしれないけれど、背骨のようなものとして、キャッチフレーズを作ろう」という気持ちが固まったのです。

30代・利己主義は利他主義利他主義は利己主義
よく「情けは人の為ならず」と申します。会社常識との軋轢もあったのだと思いますが、倫理を忘れちゃいけないよねという歯止めの気持ちです。他の人に親切にするのは、自分が気持ちよくなりたいからだよ、傲慢にならないようにね、という自分への諫めのつもりでした。また自分が勉強したり仕事に精出して認められるようになりたいという欲望が肯定できるのは、それが他の人の役にたっているかどうか、という点から時々検証しなければならない、ということでもあります。これは今でも同じように思っています。

40代・両性具有的性質
これは、一人の人間の中に、男性的・父親的なもの、女性的・母親的なもの、両方持ちたいよねという気持ちの表れです。特に44歳で結婚して子供が出来てからは、さらに具体性をおびてきまして、子育てでは両面出して接したいなーと理想を思い、家事育児のジェンダー固定に反発する気持ちと実際に自分が出来ているのかという葛藤も併せて押し寄せてきました。

50代・蒙を啓く、思考を柔軟に
ここちょっと記憶に自信がないです。“今日やるべきことは明日やらない”だったか、“毎日後悔しないように生きる”だったか。でもこれ多分前者は会社での仕事のやり方についてだし、後者は趣味活動で思っていたことだったのだと思います。だからこの2つは人生の一断面について思っていたことであって全体のフレーズではないと思います。
頭が段々固くなってくるから、「そうだったのかー」「えーそんな考えもあるんだー」という感動が得られるように書物や記事を読みふけり、自分の言動でまずかったことには素直に目を向けたいという理想を掲げたものです。年くうと変にプライドが出てくるから難しいですね。でも、後輩たちに指摘された間違ったことを謝ったりして見直されたりしたこともありましたから、少しは出来たかなと思います。

60代・文系理系の垣根を超える
これ最近まで言葉に迷っていました。「博物学を極める」にしようかなとか。江戸時代は学問ってそれほど専門に分かれていなかったのですよね。それが近代から現代に時代が移ろうなかでどんどん細分化して周辺のことすらわからなくなってきています。それに対するアンチテーゼのつもりです。
文系だって基礎統計学を理解したうえでネットの記事やアンケート結果を読み取れないと騙されてしまう。理系だって自分なりの倫理規範や、外国と日本の文化の差異に目を止められないといけない。そんな風な今のわたくしの生き方の目標です。

以上のキャッチフレーズ、私の例でお分かりの通り、具体的に「〇〇達成、〇〇資格取得」というような目標ではありません。あくまでそれを行う上での目的地へ向かう線路のようなもの、通底する心構えを言葉にしてみたものです。ひそかに自分を言葉で応援してみるのも面白いですよ。