かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

相続は他人のはじまり

これは私の話ではなく、私の母とその妹の話です。
裏付け記録もなく、私の不確かな記憶を呼び起こして、主に母から聞いたと思しき内容で話を組み立てていきますので、大きな思い違いが含まれる可能性がありますこと、ご了承ください。

私の母の母、つまり私の母方の祖母ですが、あるときボケました。
入院して私の母が世話をしていました。私も入院中見舞いにいったことがあります。祖母は「まあまあ、わざわざおいでくださいましてありがとうございます。」敬語。どうやら孫だということがわからない。うつろな目。

数か月入院しておりましたが、お亡くなりになりました。
残されたのは、表通りに面した借地と、一本入ったところにある宅地。
祖父は大分前に亡くなっていましたので、相続人は母とその妹の二人。
ややこしいのは、10年前に借地上の店舗を私の父のお金で建て替え、父名義で登記してありました。このあたり私の記憶がかなり曖昧なのですが、建て替え後も祖父がそこでお店をやって2階に住んでいたと思います。その後祖父が亡くなってからは、祖母が2階に住んで、1階で母が本屋をやっていた時期もあります。
一本入ったところにある宅地は、母とその妹が既に土地を分筆してそれぞれの住居を建てていましたので対応する土地部分を相続すれば話は終わり。もめたのは表通りの借地です。
母の妹は、建物を建てたのはあなたの勝手だから、更地としての借地権評価額で半分にして、不動産はあげるから、代わりにお金が欲しいと言い出しました。
母はいくらか払うことは承知しましたが、元々借地だし、借地契約を祖母から変えるのに地主にかなりの額の承諾料を払わねばならないから、そんなに出せない。なんだったら、共同借地人契約にしようかと考えたそうですが、それは地主が承諾しない。
母は、祖母の入院費の負担もしていたし、付き添い介護もしていたから、そのことも考えてくれと妹に言いましたが、母の妹は、支出の証拠を出せという。
結局、母は母の妹の言い値に近い金額を支払ったようですが、これを契機として親戚付き合いは途絶えました。

相続でもめて「兄弟は他人の始まり」を地でいきましたね。
今だと逆に、田舎の家でゴミ屋敷、誰もいらないけど、と「負」動産の押し付け合いでもめたりするのでしょうか。時代の変化を感じます。
私にはいとこも二人いましたが、当然付き合いは自然消滅。隣に住んでいたのに消息もまったく知りません。

さて、ここで後日譚があります。大分経ってからのお話。
母が自宅にいたら、ピンポーンと呼び鈴がなるので、インターフォンに出た所、件の妹が「ここに〇〇さん(=母)が絶対いるはずだから、出してください」と云う。何だか言い方がおかしいし、仲たがいして以来、会ってもいないし口もきいていない。いきなり変だなと思ったので、空恐ろしくなって「ここにはそんな人はいません」と答えたそうです。そしたら、それから何回か「いるはずだから、出して」と尋ねて来たらしいです。
母が言うには、どうやらボケてしまったらしいと。

私もこの件以来、いとこに会っていませんので、母の妹がぼけていたかどうか確認すべくもなく、なぜ突然訪ねてきたのか、真相は闇の中です。