かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

期待値と確率の正体

平均の正体は2000万円問題が広まって以来大分理解が広まってきたように思いますが、確率についてはまだまだと思います。
たとえばサイコロで、1,2,3,4,5,6の出る確率はみな1/6というじゃないですか、でもこれってサイコロを振るたびに1,2,3,4,5,6がまんべんなく出てくるわけじゃない。何百回とサイコロを振ったら、そのうちに1,2,3,4,5,6が出た回数が1/6に近づくといっているだけですよね。=大数の法則
100㎠の正方形の中にランダムに点を打つと、まんべんなく点が散らばりません。ところどころ黒くなったり薄くなったりします。まんべんなく散るのはランダムではない。意図的になされたものです。
これをインデックス投資の価格変動、ボラティリティに照らして考えてみるとどうでしょうか。
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この図は、2020.7.1~2021.7.2までのS&P500の一年騰落率の一部を抜粋してきました。
例えば、2021.7.2の一年騰落率は、(4352.34-3130.01)/3130.01と計算します。
S&P500のボラティリティ正規分布に従うと仮定すれば、95.4%の値が2標準偏差内に収まると予想されますから、
24.7%-15.8%*2=△6.9%
24.7%+15.8%*2=56.3%
△6.9%~56.3%の間に95.4%の確率で収まると計算できます。

注意点がいくつかあります。
1. 株式の価格変動が正規分布に従うという、論理的な証明はない。
2. 正規分布が比較的よく当てはまるとしても、元データはすべて過去のものなので将来取りうるデータを保証しない。
3. △6.9%~56.3%の間に95.4%の確率で収まるということは、逆に言うと4.6%は△6.9%よりも大きなマイナス、又は、56.3%よりも大きなプラスになりうると推理できる。
凄いマイナスのはずれ値、すごいプラスのはずれ値が実現することを、この仮定に仮定(正規分布、過去データ)を重ねた結果としても排除できないのです。

25%死んでいる? - かけこみリタイヤ―のダイヤリーでも書きましたが、100人いたら75歳の段階で75人が生きていて、25人が死んでいる。これは統計から導いた確率ですね。じゃあ、あなたは、私はどうか。
75歳になった時、生きている→75人のうちの1人に入っている
75歳になる前に死んでいる→25人のうちの1人に入っている
このいずれか、生きているか死んでいるかのどちらかしかありえない。

株価に話を戻しますと、6.9%以上にマイナス、へたするとマイナス70%、元値の3割だってありうるわけです。勿論元値の倍、3倍だってありえます。
確率は将来を保証してくれません。どちらに転びそうか、その可能性を参考に示してくれるだけです。実際にその時が来てしまえば無力。

投資は、将来に“賭け”ていることを忘れずにいたいと思います。もっとも、将来のある特定の時点にのみ賭けているわけではありませんから、資本主義さえ継続していれば、その時ひどいマイナスになったとしても、いつの日か値が戻す日が来ると信じて、我慢して売らずに持ち続けることはできます。