かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

都会のど真ん中にある秘境バス路線

これは東京都新宿区内にある停留所の時刻表です。
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1日3本。物凄い田舎のバス路線かと思うじゃないですか。
よく見ると行き先が書いてあります。

新宿駅西口→西武百貨店前 池袋駅東口

新宿駅といえば、駅乗降者数全国第1位。
池袋駅と言えば、駅乗降者数全国第3位。

その二つを結ぶバス路線が一日三便。

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10/5たまたま出くわしたのでパチリ。影になっちゃいました。

さらに
池袋駅東口→新宿駅西口行きは平日一日三便のうち、最終一便は途中の「目白五丁目」止まり。土休日は一日四便のうち、最終一便がそれ。

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1日1便の区間運行。2021.10.7撮影
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目白五丁目停留所時刻表 ここ止まりの便は載っていません。

この 西武バス 宿20系統 なぜこれほどまでに本数が少ないのに残っているのか。
以下は私の推理です。
西武王国に君臨した堤さんの野望。その残骸。
野望1
西武は池袋なんていう、都の西北のはずれではなく、銀座を出発点としたかった。
これは西武有楽町線を作って、東京メトロ有楽町線に乗り入れることで、一応の達成をみました。2010年に閉店した有楽町西武を作ったのもその一環です。
野望2
一流の別荘地である軽井沢まで東京から西武鉄道を通したかった。
埼玉県飯能から吾野止まりだった西武秩父線を、正丸トンネルを掘って秩父市まで通したのもその布石です。秩父盆地から山を二つ超えると軽井沢です。さすがに険しすぎるし、乗客が見込めなさそうな山の中なので断念したと思います。
野望3
西武新宿線の終点、本川越から荒川沿いに北上し、熊谷まで通したかった。
本川越の駅が妙に北向きにでっぱっているのはそのせいでしょう。熊谷まで通れば、今は廃止されてしまった東武熊谷線が妻沼まで通じていたので、それを延伸すれば大田までいけます。
野望4
もう一方の西武新宿線の起点、西武新宿駅を、JR新宿駅の横にしたかった。これはJRにいじわるされて実現できませんでした。
新宿ターミナルに西武鉄道が乗り入れることが野望であるから、もう一方の主要路線である西武池袋線の起点、池袋と、新宿ターミナルを結ぶバス路線を廃止するわけにはいかない。
以上が私の推理です。

採算なんかまったくとれていないし、西武多摩川線と同様、他の西武バス路線から孤立した路線でありながら、生きながらえているのは、まさに“西武の意地”でしょう。