ナシーム・ニコラス・タレブ著ダイヤモンド社刊「まぐれ」を読んでいたら、偶然面白い記述を見つけたので紹介しますね。
ちなみに、この本、なかなか面白いのですが、作者の頭が良すぎて、理解できないところが多々あります。感覚的に面白いなあと思うのに、はっきりと意味をつかみ取れていない所が多数ありまして。
この本の90ページに次の表が、「いろいろな期間での成功率」という表題で載っていました。
期間 | 確率 |
1年 | 97% |
1四半期 | 77% |
1か月 | 67% |
1日 | 54% |
1時間 | 51.3% |
1分 | 50.17% |
1秒 | 50.02% |
どういう計算をしてこれを導き出したのか書いてないので、真偽のほどは不明ですが、投資の期待リターン15%、標準偏差10%での1年間の成功確率が93%だそうです。この表の97%との違いは説明していませんが、ほぼ近い確率なのでしょう。
これをデイトレードのように、1秒ごとに株価を参照するようにすると、成功率が50%にまで低下する。
そしてそれだけではすまない。株価を1分ごとに参照していると、そのうち半分は嬉しいけど、半分は損をして悲しい気持ちになる。成功確率50%だから。
心理学の知見によれば、悲しいときのマイナスは、嬉しいときのプラスよりよほど大きいから、高い頻度で株価を見て一喜一憂していると、一日の終わりごろには精神的にマイナス超過の状態に置かれることになる。
参照期間 | ノイズ比 |
一年 | 0.7 |
一か月 | 2.32 |
一時間 | 30 |
一秒 | 1796 |
出典:同書
期間を短くとるとリターンではなくリスクを観察することになる。つまり、見えてくるのはほとんどばらつきばかり。
私たちの感情はそういったことを理解できるようにはできていない。
だから頻繁に資産をチェックするより、月次報告書か年次報告書で満足する方がよいですよ。自分の感情はコントロールできないのですから。
というお話を同書でされておりました。
ランダム性にふりまわされないように、というタレブ氏の警告、「しょっちゅう株価を見るのはやめよう」「ほったらかし投資で」と私もお薦めしているし、他にもそうおっしゃっている人は沢山いらっしゃいますが、まさにそう。インデックス投資家にぴったりじゃありませんか。