かけこみリタイヤ―のダイヤリー

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投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021に投票しました

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021に投票しました。
5ポイントの内訳は次の通り。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) 3ポイント
(2559)MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 1ポイント
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 1ポイント

配分理由は次の通り。

(1)eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) 3ポイント
全世界株式に時価比率で分散投資ということで、一番分散が効いています。
新興国は法律が突然変わる、企業の情報公開や会計制度適用、株式市場の透明性に問題があるなどのカントリー・リスクから、私は単独で投資をする気にならないのですが、全世界株式であればその比率は11.9%(2021.9.30月報より)とほどほどです。
いずれ時価評価が上がってくれば国の体制や制度の運用も成熟・安定してくると期待できます。
株式の時価評価額が上がって成長が著しい国の株式に自動的に比重が移ってくれるので、国内株式・先進国株式・新興国株式と3つのファンドを購入して自分でバランスを修正する必要がありません。しかも私が計算した実経費率とほぼ同じになる。
(実経費率の計算)
2021.4.26運用報告書から

組入ファンド 組入比率(対純資産総額)
日本株式インデックスマザーファンド 6.4%
外国株式インデックスマザーファンド 80.7%
新興国株式インデックスマザーファンド 12.8%

この比率に、eMAXISSlimシリーズのTOPIX*1、先進国株式、新興国株式の3つの独立ファンドの信託報酬率と一万口当たりの費用明細から合成した総経費比率をかけます。

eMAXISSlimTOPIX 0.1590%
eMAXISSlim先進国株式 0.1473%
eMAXISSlim新興国株式 0.3620%

0.1590%×6.4%+0.1473%×80.7%+0.3620%×12.8%=0.1753831%
一方オール・カントリーは
2021.4.26運用報告書の1万口当たりの費用明細、信託報酬率は2021.7.21交付目論見書から計算しますと、

信託報酬率 委託会社 0.0462%
信託報酬率 販売会社 0.0462%
信託報酬率 受託会社 0.022%
売買委託手数料 0.010%
有価証券取引税 0.018%
その他費用 0.033%
合計 0.1754%

※信託報酬率は、委託・販売・受託の三社合計で500億円未満の部分0.1144%、500億円以上1,000億円未満の部分0.11385%、1,000億円以上の部分0.1133%ですが、ここでは一番高率な500億円未満の部分で計算しました。
3ファンド組み合わせ0.17538%とオール・カントリー0.1754%、ほぼ同水準です。絶妙。
また次に述べるETFと異なり、ネット証券では100円から自由な金額で積み立てできるし、つみたてNISA対応である点も強みです。半面決算期ごとの分配実績はないので、外国税額控除は出来ません。
2021.11.2現在3,255.55億円の純資産総額になっていることから、当面の繰上償還リスク*2もない。信託財産留保額もないので、解約時には満額受け取れます。
以上の理由により、若年層で積み立てを始める方々、定年後に年金受給開始までのつなぎとして投資をする高齢層の方々、全年代の方々にお薦めできる第一のインデックスファンドであると判断しました。

(2)(2559)MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 1ポイント
オール・カントリーのETFヴァージョンです。
新月報の組入上位10カ国・地域を見比べてみる限り、資産構成はほぼ同じ。
2021.3.8から購入及び換金単位が100口となりました。とあるけど、単元株数1株で2021.11.2終値が14,060円だから関係がよくわかりませんね。
ETFの強みは信託報酬率と総経費率の低さです。2021.6.8期決算短信損益計算書がありますので、そちらから総経費率を計算してみますと、

銘柄 信託報酬率 総経費率
オール・カントリー 0.1144% 0.1754%
2559ETF 0.0858% 0.1479%

そして半年に一度、6月8日と12月8日に決算をして分配金を出してくれるので、外国税額控除がもれなく適用されます。マーケットメイク対象銘柄なので、ベンチマークとの乖離が少ない、ほぼ適正な価額で購入することができます。
ただしオール・カントリーと異なり、換金時に信託財産留保額として翌営業日基準価額×0.1%が差し引かれます。
売買は上場株式とまったく同様になされますので、ネット証券であれば売買委託手数料はほぼかからないと思いますが、取扱金融機関によってはかかる場合もあるので、自分が保有している証券口座で売る前に確認しておきましょう。
半年に一回分配金が出ることから、基準価額の上昇を期待すると同時に、毎期支払われる分配金を使っていくという考え方もあると思います。
私の直近の実績では、分配金手取率87.4%で、外国税額控除がなければ、
100%ー20.315%=79.685%ですから、7.715%も手取りが多くなります。
もちろん分配金だけで生活しようとすると元本19,000口くらい持っていないといけないので現実的ではありませんが、元本を取り崩さなくても分配があるという気持ちの問題と、上場しているので売却時点で即時に損益を確定できるという利点もあります。
出口戦略を考えた場合、面白い選択肢かなと思って投票しました。

(3)SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 1ポイント
実はわたくしこのファンドを所有しておりません。私が持っているのはSBI・全世界株式インデックス・ファンド 『愛称:雪だるま(全世界株式)』です。ではなぜあえて投票したか。
雪だるま(全世界株式)に投資しているのは、eMAXISSlimやeMAXIS上場投信だけだと運用会社の分散が出来ていないし、指数もMSCI(eMAXIS)とFTSE(雪だるま)、証券口座も私の場合、楽天証券(eMAXIS)とauカブコム証券(雪だるま)に分散できるから。
SBI・Vシリーズの特徴は、FOF*3であるということ。
通常の投資信託はマザーファンドで直接個別銘柄の株式やREIT保有するのに対し、FOFではマザーファンドで別のETFを買い付けます。そして雪だるま(全世界株式)の場合、3つの米国籍ETFを買い付けることでFTSEの指数と同じになるようにしています。指数と同じ動きを目指すのに3つのETFを売買して実現しているというわけ。ちょっとアクロバティックです。
一方、SBI・V・S&P500は、ヴァンガード社のVOOというETF一種類のみを買い付けることでS&P500指数追従を実現しています。VOOは総経費率が0.03%と純資産総額28兆円という巨大さから、非常に魅力的なETFです。
だったらVOOは日本のネット証券で買えるんだから直接買えばいいんじゃないの、という疑問が出てくると思います。
確かに買えますが、VOOを買うと
・ドルを購入して買い付けないといけない
・分配金はドルで支払われるので、使いたければ円転しなければならない。
・外国税額控除は、確定申告をしないとできない。
そして円をドルに、ドルを円に換えるとしかるべき売値買値の値幅で手数料を支払うはめになります。またドルのまま引き出すことができません。
それがSBI・V・S&P500であれば、円で100円から1円単位で買うことができます。
2020.9.14第一期の運用報告書と交付目論見書によれば、

信託報酬率 0.0638%
売買委託手数料 0
有価証券取引税 0
その他費用 0.018%
合計 0.0818%

これに先に引かれてくるVANGUARD S&P500 ETFの総経費率0.03%を加え、総経費率は0.1118%。これは私調べによれば、(1557)SPDR S&P500につぐ実経費率の低さ。
しかもつみたてNISA対象です。
マザーファンドがドルで売買をしてくれるので、個人で円ドル転換するよりはるかに為替手数料は少なくて済みますし、円で買い、円で売ることができる。
残念ながら分配はあまりしないでしょうから、外国税額控除は期待できませんが、それはeMAXISSlimだって同じこと。
円転ドル転の面倒や申告のわずらわしさから解放され、円で若干の手数料の上乗せで、日本にいながらにしてVOOに投資できる状態を作ってくれた功績は大きいと判断しました。
惜しむらくは、販売会社がSBI証券岡三オンライン証券auカブコム証券、SMBC日興証券マネックス証券佐賀銀行に限られていること。私のメインである楽天証券では買い付けることができません。そこは残念です。

以上、投票の内容とその理由を申し上げました。

*1:全世界株式ではTOPIXではなくMSCIジャパン・インデックスなので若干違いますが

*2:償還発動条件10億口×2021.11.2基準価額一万口当たり16,625円=16.625億円

*3:ファンド・オブ・ファンズ