かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

貯蓄と投資1:1がベスト

カンさんのブログを読んでいて、貯金と投資は1:1で、というのがありました。
これねえ、私にはすごく納得いく話です。
若い方の中には全然納得いかないと思っていらっしゃる方も多いかもしれませんね。リスクを大きめにとらないと財産なんか増えていかない、と思っているでしょうし、例え給料から貯蓄できる額が小さくても収入が入り続ける先々の年月というものがありますから、そこは納得します。

私が一番心配しているのは、ある程度まとまった退職金が出たとか、貯金も結構たまったけど預金利息じゃ全然増えないから投資でもやってみようか、という人々のこと。
退職金が振り込まれた口座の銀行から電話がかかってきて(電話ですよ、電話。)勧められるがまま手数料が高そうな投資信託とか、外貨預金とか、仕組債とか勧められて買っちゃう人は、ちょっと待ってやめてーということはこのブログに至る方々には常識でしょうけれども。
今回の記事は、その先、もうちょっと慎重かつ懐疑的な人々に対して言いたいことなのです。

セオリー通りに金融資産のうち半分は預金でとっておき、残り半分は投資につっこんで評価額が三分の一になっても耐えられる。
なんて、ある程度勉強した人は思っているでしょう。

それ、危ないです。
自分が一番信用できない。
マスコミで株式市場が暴落、なんて小耳にはさんで毎日ネット証券のマイページを開いてしまう、そんな人は特に危ない。
逆に株式投資したこと自体、暫く忘れちゃっているような人は大丈夫です。
ですから
・まとまったお金があって投資を始めたい人。
・退職金や遺産相続でまとまったお金が入って投資を始めたい人。
そういう人に向けて、最初の方に投資を始めたい人へ、というメッセージを込めました。
お金が沢山あっても最初の一年は月1万円位から始めることをお薦めします。その時はネット証券のマイページを毎日見ても構いません。途中で暴落でもしようものならしめたもの。株価の上下できれば乱高下にどの程度動揺するのか。投資額が少ない内に経験しておくのが大事かなと思います。

今回コロナ禍で暴落してから、短期間で回復してしまいましたから、私の耐える力もやや信用ならない所ですが、バブル崩壊前から持っている株式をいまだに持っている、というか暴落してやる気をなくして放置していたといった方が正確ですが、少なくとも不必要なくらい強く握りっぱなしである自分がいることは分かっています。

ではそのメンタルはどこから来たのかをよくよく考えてみますと、個人的な性格などではまったくなく、実は少なからぬ投資額と同じくらい積み上げた預貯金の残高なのだろうと思います。
生活防衛資金、子供の学費、年金までのつなぎと、それなりの残高を保持してきたから、株がへにょへにょになって、証券会社のマイページをみて、ううう、となっても耐えられたと思うのです。

株価のボラティリティの計算で、2標準偏差のブラスマイナス内に収まる確率は95.4%なんていうじゃないですか。株価が正規分布かどうか誰も証明できていませんが、一応そういうことにしておいて、過去データから標準偏差が23%とか言われると、プラスマイナス46%に95.4%の確率で収まるのか、じゃあ悪くて半値だな、なんて思っているあなた、それは間違いです。
株価が、正規分布に従うと仮定して標準偏差が23%と仮定して、それでも95.4%の残り4.6%分はそれ以上のプラスマイナスにいってしまう可能性がある、っていっていることを忘れちゃいけません。
95.4%大丈夫って考えるんじゃなくて4.6%はもっと危ないって思わないと。しかも今言ったように過去データから仮定に仮定を重ねたところで可能性は排除できない。
ゆえに、半分は預貯金という話に深くうなずく私がいたのでした。
暴落に耐える力、それは現預金。

大胆な操縦士、老練な操縦士はいるが、大胆で老練な操縦士はいない。
この意味おわかりになるでしょうか。
大胆な行動をしていると、そのうち撃ち落されるか事故で死んでしまう。
生き残って年齢を重ねているのは、慎重で老練な操縦士ばかりだ、ということです。

「ブラッカムの爆撃機*1」を読んでいても、無事に帰ってくるのはあらゆる危険な可能性を排除する努力を続けている飛行機だけなのです。帰還できるかどうかは、結局は運なのですが、悪運にわざわざ自分を晒さないということ。
悪運にわざわざ自分を晒さないということは、自分を過信しないこと、
それから分散投資を心がけることです。
金融商品を一本に絞るのならばインデックス型投資信託
できれば全世界株式。
個別株だったら銘柄分散。
でも銘柄分散しても日本株の範囲内、日本株と米国株の範囲内だったらまとめて沈む可能性だってあります。その時ぐっと持ったままこらえられればいいのですが。
2021.10.22にS&P500が新高値更新なんて聞くと、ついいらん老婆心が出てくるのでした。


*1:ロバート・アトキンソン・ウェストール『ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの』宮崎駿 編、金原瑞人 訳、岩波書店