かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

五味

舌の味蕾から味覚神経を伝って脳で認識できる、味覚の根本となる5つの味があるとされ、日本では甘味、酸味、塩味、苦味の4つに、池田菊苗博士が1907年に分離に成功した旨味を加えたものを指します。
旨味と言っても池田さんが昆布から分離したグルタミン酸ナトリウム、小玉新太郎が鰹節から抽出したイノシン酸、国中明がシイタケ中から抽出したグアニル酸も旨味成分であると確認されています。

中国五行説では、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩味)。
四川料理では、麻(山椒の痺れる味)、辣(辛味、唐辛子に限定しない)甜(甘味)、鹹(塩味)、酸(酸味)。これに苦味と香味を加えて七つとする説もあります。

西欧では、硬水が多く、出汁がとりにくいので、旨味の存在には懐疑的でした。実際にはフランス料理でいうフォン、ブイヨン、コンソメのように、だしの力で旨味を増す料理法は存在していました。南米からもたらされたトマトに豊富に含まれるグルタミン酸を利用したり、チーズやなにより肉の煮汁によって実際には旨味を存分に活用しておりました。

ここからは私の意見です。
西洋では、旨味こそ分離して考えていませんでしたが、19世紀以前から、脂肪の味、乳の味を独立して楽しんでいたのではないかということです。仏教でも乳の味は発酵の程度で乳味、酪味、生酥味(しょうそみ)、熟酥味、醍醐味と五つあります。奈良時代あたりに日本に入ってきたこともあったようですが定着しませんでしたね。
脂肪は主に肉から獲得され、西洋では経験的に脂肪自体を味の一つとして楽しんできた歴史があるというのが、私の個人的な意見です。