かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

子供につけて貰いたい能力

リタイア―のくせに小中学生の子持ちってあまりいなさそうですね。

晩婚化が進んで運よく子供に恵まれた人の割合が増えてくれば、リタイア―ではないにしろ私のような年の割に小さい子供がいる人は増えてくると思いますので、ご参考に。

上の子の高校受験にあたって、どうしたってその先、大学行くのかどうするのか、いくとしたらどんな大学でどんな専攻に進むのか、その先どんな職業について自立していくのか。
先に行けば行くほど深い霧に包まれていますが、それをわかった上で今どんな選択をすべきか親子で考えなければならない時期を迎えています。
人生のキャッチフレーズを作ろうで、私の60代のキャッチフレーズをご紹介しましたが、これって子供たちがこれからの時代を生き抜くための里程標にもなると思う。

一言でいうと「文理両道」ということです。
中学校の数学と英語。そしてそこから国語。
・数学 次の問題と回答を読んでみてください。
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上の図で。AB=3cm、DE=8cm、∠ABC=∠CDE=90°、FC⊥BD、AF:FE=2:3とする。
(1) △ABCと相似な三角形を答えよ。
(2) BCの長さを求めよ。
(回答と解説)
(1) △ABCは∠ABC=90°の直角三角形なので、∠ACB+∠CAB=180°―∠ABC=180°―90°=90°となる。また∠ACE=90°より∠ACB+∠ECD=180°―∠ACE=180°―90°=90°なので、∠ACB+∠CAB=∠ACB+∠ECDより、∠CAB=∠ECDとなる。よって△ABCと△CDEにおいて、∠ABC=∠CDE=90°、∠CAB=∠ECDより、2組の角がそれぞれ等しいので、△ABC∽△CDEとなる。
(2) AB//FC//EDより、BC:CD=AF:FE=2:3となる。これより、BC=xとすると、CD=3/2×BC=3/2xと表せる。(1)の△ABC∽△CDEより、AB:CD=BC:DEとなるので、3:3/2x=x:8が成り立つ。これを解くと3/2x×x=3×8、3/2x^2=24、x^2=16、x=±4、x<0なので、x=4となる。BC=4cm

どうですか。「なつかしい、そうだった」という方、「面倒くさくて読めんわ」という方に分かれるでしょう。

数学は論理を記号化して抽象すること、そこから操作して何らかの結論を得ることが出来ます。その学習過程において操作道具に慣れる必要があり、慣れるまでは面倒です。
しかも個々の事象は前の事象の学習と習熟が前提になってきますので、積み上げていかないとすぐに行き詰まる。

例えば、小学校で習う分数。分数計算ができないと、人口密度の計算ができない。人口密度計算ができないと、単位当たりの量がわからない、単位当たりの量がわからないと割合がわからない。割合がわからないと三角形の相似もわからない、という具合です。

数学の習熟によって、面倒くさい論理の構築物にあたった時、面倒がらずに解きほぐして理解の筋道を立て、突破のためのひらめきを試行錯誤しながら得られる可能性が高まります。
職業のはやりすたりに影響されない普遍性と有用性があるので、習熟は必須かなと思う次第です。私も中学高校時代、数学はさっぱりわかりませんでした。今子供の勉強を共にやりながら楽しんで理解を深めています。

・英語
英語の習熟は、英語がバリバリ使えて、外資系企業に就職したり国際的な活動で高給を得たり、というイメージがあると思いますし、それを目指すのも結構だと思いますが。中学レベルの英語習得で私が考えるのは、「日本語の相対化」です。

英語を学ぶことによって、日本語の文章構造がわかってくる、日本語の表現や言葉の意味付けのしかたという特徴が、別の言語の学習を介して浮かび上がってくる。これが一番の理由。特に英語はロジックが明快だと思いますが、これは英語話者の心の在り方によるものもあるでしょうが、近代から現代にかけて歴史的に英語という言語が論理を磨いて世界共通語の地位を獲得していったという経緯によるものでしょう。それがかつては中国語やアラビア語だった時代だってあったわけだし。

だから日本語を相対化するために、外国語なら英語でなくてもよいわけですが、事実上の世界標準語となっている英語を学ぶことで一石二鳥が狙える立場になる、ということもあるから英語というわけですね。

・国語
そして、数学を通じて論理を鍛え、英語を通じて論理と表現を鍛え、それが国語力に跳ね返っていい影響を作ってくれます。日本語話者は日本語を自然に話すことができ日常生活で不自由を感じる場面はほとんどないから意識しませんが、国語を学ぶことでより深く意味を捉えたり、なにより感情の運用語彙が増えると、感情表現や自分の状態をより細やかに認識したり発信したりできるようになる。つまり人間自体が深化していきます。

ブログを書いたり読んだりしていると、「もっと、こううまい言い方はないかな」「なるほどそんな考え方もあるのか」という発見をして自分の思考の道具が蓄積していく。言葉はその人そのものを形作っている。私たちは常に変化しつづけているのです。

以上、なぜ主要三科目の学習・習熟が必要なのかについて、述べました。
これに付随して時事や歴史や社会や理科の学習というのも、学生さん達は必要になってきますが、これらは数学の道具を少し借用したり英語の語彙を少し用いたりすることで、話題毎に習得に入っていきやすいので、やはりまず土台として積み上げの勉強が必要、一朝一夕にいかない数学と英語の習得をまずはおすすめしたい。弱点があれば小学生の問題集に戻るべきです。

そういえば思い出しました。漢字の書き順が気になって、漢字の書き順学習帳を買ってきて練習して書き順を刷新したことがありました。

今必要じゃないよ、という社会人の方々は別に強制するわけにもいきませんが、インデックス投資をしている方は、確率統計をやり直すとより面白く感じられますよ。

またセミリタイアやリタイアして時間のある方には、趣味として勉強を対象としてもいいのじゃないでしょうか。

これから学習を続けていずれ社会へ出ていく、私の子供達はもちろん、その他の子供達にもいいます。これからは文系理系言っている場合じゃないです。両方やっておかないと精神的にも物質的にも豊かな生活は実現できないよと。