かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

レバナスは長期保有に向かないのか

レバナスとは、茄子のレバー炒めのことではなく、NASDAQ100を指数として、それにレバレッジをかけた投資信託のことですね。楽天証券でこのような記事が上がっていました。
media.rakuten-sec.net
突っ込みどころ満載のタイトル。やってはいけない資産形成って
やってはいけないのはほとんどの場合で資産形成できないからでしょう。
やってはいけない投資であって、やってはいけなくても資産形成できればいいじゃない、って突っ込んじゃうぞ。
もしかして、これじゃぁやっていけないよ、のやってはいけないなのかしらん。

レバレッジ型投信とは、株式指数の日々の値動きを2倍や3倍に増幅した値動きに連動した運用を行う投資信託です。短期金融商品を証拠金として運用額の倍数の先物を買い建てするのが基本であり、この場合の倍数、例えば2倍とすると、日々の変動率を2倍となるように前営業日と比べた当日のレバレッジ型投信のリターンを指数リターンの2倍となるように運用を行う、とネットで解説を見つけて読みましたが、よくわかりません。
株式指数先物を買うっていうけど、売り手はいるのか?という素朴な疑問が。

戻ります。記事で注意点として挙げられているのは、
・2倍レバレッジの場合、日々の騰落率の2倍動くのであり、複数日に渡ると必ずしも2倍にならない。指数が一か月で5%上がったからといって10%上がるのではない。
・上昇・下落のいずれでもない局面ではずるずる値下がり=減価するので、値下がり局面で保有しておけばよいというのは間違い。
・インデックス投信よりコストが高い
とまともなことを言っておきながら、

レバレッジ投信・ETFの勘違い5:レバレッジ投資には手を出してはいけない
レバレッジ投資のようなハイリスクの投資はそもそもするべきではないという方もいます。確かにハイリスクな投資は大損する可能性もありますが、逆に言えば大きな利益を上げる可能性も秘めています。
 ほとんどの人には不要かもしれませんが、レバレッジ投資は単なる投資手段の一つであり、レバレッジ商品はその投資を行うためのツールにすぎません。要は使い方次第、使う人次第です。

なんとも歯切れの悪い一言。手を出してはいけないというのは勘違いだけど、ほとんどの人には不要だよって。なんなの。

 レバレッジ型商品は短期間での取引を想定したハイリスク投資なので、長期的な投資には向いていないことを理解しておきましょう。(3ページ)

と言っておきながら、

短期的な株価の動きを当て続けようという投資は、もはや投資ではなく投機となってしまいます。(4ページ)

と言っているということは、レバレッジ型商品は投機だといっているに等しいです。

楽天証券レバレッジ型投信を販売しているので、全否定は難しいのかもしれませんね。

ところで、上昇局面ではレバレッジをかけると急上昇、下落局面では急落というのは直感的によくわかります。f:id:otosak:20211227114823p:plainf:id:otosak:20211227114838p:plain
一定範囲で上下するボックス相場にあると、指数をレバレッジしたものは次第に基準価額が低下する、減価と呼ばれる状態になるというのは直感的にわかりづらい。そこで数値例を作成して検証してみました。
ここでは、指数を100で出発し、翌日は11.11%増の111.1、翌々日は10.00%減の100.0を繰り返す状態に置き、レバレッジはその2倍、22.22%増と20.00%減を日々繰り返す状態にします。算出された値は小数点以下第2位以下四捨五入しています。

指数 100 レバ 100
0.1111 111.1 0.2222 122.2
-0.1 100.0 -0.2 97.8
0.1111 111.1 0.2222 119.5
-0.1 100.0 -0.2 95.6
0.1111 111.1 0.2222 116.8
-0.1 100.0 -0.2 93.5
0.1111 111.1 0.2222 114.2
-0.1 100.0 -0.2 91.4
0.1111 111.1 0.2222 111.7
-0.1 100.0 -0.2 89.4
0.1111 111.1 0.2222 109.2
-0.1 100.0 -0.2 87.4
0.1111 111.1 0.2222 106.8
-0.1 100.0 -0.2 85.4
0.1111 111.1 0.2222 104.4
-0.1 100.0 -0.2 83.5
0.1111 111.1 0.2222 102.1
-0.1 100.0 -0.2 81.7
0.1111 111.1 0.2222 99.8
-0.1 100.0 -0.2 79.9
0.1111 111.1 0.2222 97.6
-0.1 100.0 -0.2 78.1

上記の表のとおり、レバレッジでは次第に基準価額が低下していきます。グラフにしてみますと変化が一目瞭然です。
f:id:otosak:20211227114903p:plain
騰落率に1以上の倍数を掛けて日々算出すると必ずこのようになります。
上昇局面では急上昇、下降局面では急下降しますから、上昇トレンドにうまくのって儲けるという人もいらっしゃるでしょうが、将来の株価の推移がランダムウォークする、まったく予測もつかない中長期では、ほったらかし投資には向いていないようです。