先日、レバレッジド型投資信託は、リターンの割りにリスクが大きいんじゃないかなーという趣旨の記事を書きました。
otosak.hatenablog.com
その例では、毎日10%程度、騰落率の上下がある前提でシミュレーションしましたが、実際にそんなに激しく上下するのだろうか。上下動がそれほどでもなければ、そんなに悪い商品でもないんじゃないの、という疑問が残りました。
実際の商品で、ナスとレバナスの基準価額を比較してみよう。というのがこの記事です。
・その前にナスダック100指数について
NASDAQ100指数は、米国のナスダック市場に上場している時価総額の大きい非金融業100社の株式で構成される株価指数です(対象銘柄には、米国以外の企業の株式を含みます。)。指数の計算方法は、調整済時価総額加重平均方式です。定期的な採用銘柄の入替えは毎年12月に行なわれますが、それ以外に、臨時に入替えが行なわれることがあります。
NASDAQ100指数は、ナスダック市場の全銘柄で構成されるNASDAQ総合指数(NASDAQ Composite Index)とは異なる指数です。(大和アセットマネジメント目論見書より)
・指数連動(ノーマルとします)とレバレッジド型(レバとします)の比較
大和アセットマネジメント株式会社が提供している2本の商品の商品内容と騰落率を参考にノーマルとレバの比較をしてみたいと思います。
楽天レバレッジNASDAQ-100は2021.11.5にできたばかりで、信託報酬率0.77%、楽天でノーマルNASDAQ100のインデックスファンドがないことから、検討は見送りました。
・ノーマルとレバの商品概要
商品名 | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | iFreeレバレッジNASDAQ100 |
設定日 | 2018.8.31 | 2018.10.19 |
決算日 | 年一回8/30 | 年一回10/18 |
購入時手数料 | 実績なし | 上限2.2%でありうる |
信託財産留保額 | なし | なし |
純資産総額 | 495億円 | 2039億円 |
繰上償還 | 30億口 | 30億口 |
償還水準 | 67.35億円 | 127.45億円 |
信託報酬率 | 0.495% | 0.990% |
実経費率 | 0.532%(2021.8.30) | 1.162%(2021.10.18) |
為替ヘッジ | なし | あり |
2021.12.30現在でデータを記載しました。
・ノーマルとレバの騰落率
基準価額のデータが手に入らなかったので、大和アセットマネジメントの商品概要ページから期間ごとの騰落率の表を転載します。基準日は2021.12.30です。
期間 | ノーマル騰落率 | レバ騰落率 | レバ÷ノーマル |
前日比 | +0.12% | +0.03% | 25% |
1か月 | +1.66% | +0.78% | 47% |
3か月 | +14.89% | +23.94% | 161% |
6か月 | +17.74% | +26.13% | 147% |
1年 | +42.79% | +57.81% | 135% |
3年 | +172.32% | +449.31% | 261% |
設定来 | +124.50% | +324.84% | 261% |
ノーマルは2018.8.31、レバは2018.10.19が設定日ですから、設定来は2か月弱、ノーマルが長いです。
ノーマルのチャートを見る限り、細かい下落はありますが、ほぼ右肩上がり。ゆえにレバも3年及び設定来で2倍超となっています。
2018/8又は10の設定以来、2021年年末までは上昇トレンドであったのでこのような結果となりましたが、3年なんだから2^3=8で8倍位になってほしい気もします。
そこまででなくとも、iFreeNEXTの一年+42%なら、複利計算で1.42×1.42×1.42=2.86。324%には及ばなくても286%になるとすれば、信託報酬率倍でレバレッジドする危険をおかすよりも、リスク&コストとリターンを勘案して、NEXTに倍額投資する方がいいんじゃないかなーと思わないでもありません。
もっともレバレッジド型は、「少ない資金で危険に乗り出す」商品だから、そんなことは余計なお世話でしょうね。
少額を実験的に投資するのは面白いかもしれませんが、私はどちらか選べと言われたら、実経費倍額払ってレバレッジドするのではなく、NEXTに2倍の資金を投下することを選ぶでしょう。
NASDAQ100のインデックス投信は、全般に信託報酬率・実経費率が高いし、全米株やS&P500で投資範囲がまかなえるので今のところ購入は考えておりません。