かけこみリタイヤ―のダイヤリー

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(続)レバナスは長期投資に向かないのか

レバナスは長期保有に向かないのか - かけこみリタイヤ―のダイヤリーに追加です。
レバナスはノーマルと比べてどうなのか - かけこみリタイヤ―のダイヤリーもご参考に。
レバレッジド型投資信託の特性についてはiFreeNASDQ100を題材に記事にしたところですが、2点付け加えます。

・一般NISAでは5年後の最終営業日の価額を取得価額として払いだされるが、その時点で含み損を抱える恐れがある。また新NISA制度へのロールオーバーはできない。

・短期所有目的で投資している資金の逃げ足が速いので、人気がなくなれば純資産総額があっという間に減って、繰上償還されてしまう可能性がある。そうなると、その時点で損益が確定してしまう。

レバレッジド型投資信託には複利効果はないのか
指数先物に投資をしているので、配当再投資による複利運用ができない。そのような投資信託から分配金が出ていたとしたら特別分配金(=元本払戻)の疑いがあるし、ETFなら違法である、と書かれたブログを読んだので、えっ!と思ってiFreeNASDAQ100の運用報告書を題材に考えてみます。
分配方針を見ると「分配対象額は、経費控除後の配当等収益と売買益(評価益を含みます。)等とし、原則として、信託財産の成長に資することを目的に、配当等収益の中から基準価額の水準等を勘案して分配金額を決定します。ただし、配当等収益が少額の場合には、分配を行なわないことがあります。」
とありますから、経費控除後の配当等収益・売買益・評価益を分配対象とし、成長のために配当等収益から分配金額を決定するという方針ですね。
損益の状況を見てみますと、

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ビーファンドの損益の状況
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マザーファンドの損益の状況

ビーファンドには受取利息・その他収益金・支払利息、マザーファンドには、受取利息と支払利息しかありません。取引の状況を見ても米国財務省証券、NASDAQ100先物などだけで、当然のことながら現物株の売買はありません。
しかしながら、マイナスながら有価証券売買損益はあり、先物取引等損益でプラスとありますから、この期間では先物の売買益が生じているので、分配方針にかなう配当等収益はないものの、売買益はあるので、分配原資がないわけではありません。

考えてみると、ファンドの収益源は配当でも利息でも売買益でも、評価益でもよいわけで、評価益は未実現損益ですからそこから分配を行うのはあまり倫理的とはいえませんが、実現した売買益を元に分配しても問題はありません。

また、売買益にかかる有価証券取引税や売買委託手数料といったコストを引いた残りが分配の原資となりますが、ファンドが配当を受け取る際に一定率で控除される外国での源泉所得税がない利点もあるわけです。
※2022.3.5追記
確認したわけではありませんが、債券の売買では、源泉税の日割計算分を控除又は支払でやりとりするので、源泉所得税相当額が売買時に控除され売買益では既に実質差し引かれた状態になっている可能性は高いです。

iFreeNASDAQ100の分配方針を見る限り、配当等収益がなければ分配を見送ることになっていますし、売買損益による分配原資もありますから、特別分配金という名の元金払戻といったごまかしを行う可能性はなさそうです。

また配当の複利効果がないという話ですが、純資産総額に繰り入れられた配当等収益・その他収益・有価証券売買損益・先物取引等損益は、お金に色がつかない以上、ファンドからの再投資の原資となっているので、配当等収益がないことを持って複利効果がない、とは言えません。

今回はレバレッジド型投資信託の特質として気が付いたことを2点追加し、複利効果の有無についても考えてみました。
私、レバレッジド型投資信託への投資は、相変らずお勧めしません。
それよりもノーマルの投資信託へ出来るだけ入金力を高めて投資することをお勧めします。