かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

自国民にとってのカントリーリスク

投資界隈でカントリーリスクというと、「この国に投資して大丈夫かな」「政治がいきなりひっくり返って全部国有化されて外国からの投資が紙くずになるとか」「それほどひどくはないけど、学習塾やゲームソフトメーカーが政府の鶴の一声で事業を制限されたり」「敵国条項で財産凍結」というような、政治体制の不安定さや税制や法律の急激な変更により外国からの投資が損害を受ける危険性をいいます。

不都合な真実が、比較的早く明らかになり、損切や対策が取られていくだろうと期待される先進諸国に投資し、自動浄化能力が余り期待できそうにない新興国株式に投資しないという私の姿勢が、現時点では、憂うつなことに、損害を少なく抑える現状になっていることは、喜んでよいのか悲しむべきなのか。しょせん投資という、リアルではない、お金の数字の世界の話ではありますけど。

ロシア。ルーブルの信用が地におちて全世界株式指数の計算も不能となり、計算から除外。
ただし、ロシアの資源そのものがなくなったわけではないことから、ボロ株を仕込んでおいて儲けよう勢はいると思います。ま、今は対ルーブルでの決済が遮断されていて何もできませんがね。

憂うつな気分が続いていたので読む気力もなかった「ソ連の歴史」を少し拾い読みしました。

ロシア革命から後、国内ですさまじい権力闘争が繰り広げられ、それに勝利したスターリン。政治局員だろうが何だろうが気に食わない者は次々処刑又はシベリアの収容所送りにしてきた。
農業国家だったロシアを重工業国家に転換することが最重要と考えたスターリンは五か年計画を建てさせ、農業は自営農をどんどん潰してシベリア送りにし、集団農場を作る。計画中に実際の全然ダメダメな達成率を報告した者はシベリア送りにしたため、結果嘘の統計がまかり通ることになる。
農業が集団化過程で、農業ノウハウと販売力を持っていた自作農がシベリアに送られ、集団農場は小作貧農と未経験者や女性ばかりとなり農業生産も激減。男性は工場へ送られる。
ドイツとのスターリングラード攻防戦では、「俺の名前の付いた都市が陥落するなんて絶対許さーん」と言い張って、30万人の市民が餓死。
プーチンは幼少期にこのスターリングラード攻防戦の話、ドイツ軍がいかに残虐であったかを聞かされたのではないかな。

旧ソ連邦は大国でした。国土は広いし住民は沢山いた。いくらシベリアに送ろうがいくらでもいた。
政敵をテロと恐怖で粛清してきた者は、「いつか自分も粛清されるのではないか」という恐怖心から逃れられません。結果死ぬまで権力に居座ることになる。
村上春樹さんが

最近は議会制民主主義があまりうまく機能していないからという理由で、力を中央に集約した『権威主義』みたいなシステムに心を惹(ひ)かれる人が多いようです。効率的かもしれないけど、そのぶん闇の方向に転べば、とても危険な事態がもたらされます。みなさんも十分気をつけてくださいね

と呼びかけています。
https://www.asahi.com/articles/ASQ3M0DHQQ3LUCVL01D.html

用心して指導者が国をおかしくする前に声をあげて、取り換えないといけない。
自国民としてのカントリーリスクをいつも意識しておく必要があると思います。

強力な指導者を頂くと、うまくいっている間は、市民たちは自分で決断する必要がないので、安閑としていられる。
権力者が強大な国は、意思決定が早くて素早く動けるでしょう。
コロナの封じ込めと称して発病者のいるアパートを出入り禁止にして食料は門番に買いに行かせて住民は全部閉じ込めるとか。
その意思決定の結果がうまくいった場合は喧伝されるけど、うまくいかなかった場合は沈黙。ヘタすると証拠隠滅するから、本当にうまくいっているのかどうか、直後も後からも検証することもできない。

不都合な事実が明らかになるしくみがなければ、生じた矛盾が自己爆発するまで、例えばスターリンの五か年計画の破綻が誰の目にも明らかになってすら止められない。それは不幸ではないですか。
強権的に素早く動けることが効果的な場合はあっても、強大な権力には無謬神話がもれなくついているので、うまくいったかいかなかったのか判定すら許されない。
だから、遅かろうが、中途半端だろうが、文句ばかり浴びようが、批判が出まくって、その中で少しずつ決定を変えていけるような民主主義が“最悪の中でもまし”と言われるのではないかな。

ソ連の歴史を読んで感じたのは、ドイツ相手によく戦って最後は勝利したけれど、その過程で自国民はガンガン死んで、その後のスターリン独裁で、もっとたくさんの人々が死んだり不幸になったりしたこと。

一将功なりて万骨枯る。一人の将軍が武功でほめそやされる陰で、犠牲となった何万もの兵卒は浮かばれない。
将軍の功って何なんだと思わざるを得ません。
歴史に名を残すこと、強大な国を喧伝すること。
その国の市井の人々はそんなこと望んでいません。正義と道理が通って、真面目に働く人が報われる生活を望んでいるだけです。
南沙諸島にコンクリートを打ち込んだり、西沙諸島に滑走路を造ったりすることを望んでいるわけじゃない。

権力者の権力欲を満たすために沢山の人が死ぬような世界を蔓延らせてはなりません。