かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

死んだ親の口座から口座振替・自動引き落とし

twitterのタイムラインで、一人暮らしの親が死んだのにNHKの口座引き落としが半年も続いて返金してもらうのに苦労している、という内容が流れてきました。

これからも増えそうな話です。

親と子が預金や財産のことを話し合うのはハードルが高い。
「お前はおれが死ぬことを前提に話をするのか」「(子供に虎の子を取られるんじゃないか)」物取られ妄想とか発症していると大変。友達は家の金庫の番号が親ですらわからなくなって中に一体何が入っているんだか、と悩んでいました。生きて頭もしっかりしているうちに業者に頼んで壊してもらったほうがいいよ、と助言しました。

私の両親の場合、親は預金通帳や証書のありかを書いた紙を残してくれましたし、遺言書の作成にあたって家族全員集まってそれぞれの考えを言い合ったこともあります。
しかし書いた紙の内容がよくわからず。。。。結局まとめて仕舞ってあった所から整理にかかり、それから通帳の解約手続きや預金の移管を始めたという。

口座振替になっていたものはガス水道電気だけだったし、これは母親がホスピスに入院した段階で姉が口座振替を止める手続きをして納付書払いにあらかじめ変えておいたので何も問題が起こりませんでした。
亡くなった直後から実家の整理に入ったのですぐに止める必要もなかったし、その後姉が住むことになって契約名義を変更するだけで済みました。

私のように60代、親をみとると同時に自分の終活を考えなければならなくなる世代にとって深刻なのは、
・銀行が印紙税負担を嫌がって、無通帳口座を推進していること
サブスクリプションが一般化し、カード決済や口座振替が多様化していること
です。

元気なうちに預金口座と引落先リストを作って一覧表にして、家族に「何かあったら、ここに入っているから」と伝えておく必要がありますね。
カードと暗証番号もわかるようにしておけば、入院して動けなくなったり意思が表示できなくなったりしても、入院費をそこから家族が引き出すことができる。ただし本人の意思に反して一部の家族がお金を引き出して知らん振りしたり、引き出して本人のために使っていない分を相続の申告に含めなかったりという危うさもあります。

銀行は、口座名義人が死んだことを、営業職員との雑談とか、窓口でたまたまわかってしまうとかでない限り知りようがないので、本人が亡くなって口座振替が継続してしまう事例は沢山あると思います。

通帳もカードもありかがわからず、引き落としが続いているらしい、という悲惨な状態になった場合は、遺品をかき分けて探すか、最後の手段としては、近隣や生前本人の生活圏と思しき場所にある金融機関すべてに照会をかけるとかになりそうですね。(弁護士さんや税理士さんと相談してくださいね。)

金融機関に死亡の届け出をすれば直ちに預金が凍結され、口座振替はされなくなります。葬儀の費用や入院費未精算分を引き出したいという気持ちはわかりますが、相談せずに引き出すと、後々相続人の間でもめる原因になりますので、相続人全員でよく話し合いましょう。

まれに遺言で相続人以外の受贈者が出てきて、預金口座や現金での遺贈が指定されていると、遺言の執行過程で引き出したお金を手渡さなければならなくなる可能性もあります。可能性は低いけれどまったくないわけではないです。

やはり生前、親が意識がはっきりしているうちに終活をして、きっちり整理するのは、これから亡くなっていく私のような世代の人間の務めであり、子供に迷惑をかけない、かけたくない、という考えが広まっていけば、と思います。