かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

高校事件簿―靴がなくなった!?

入学式も終わって、上の子は早速高校に通い始めました。

授業開始一日目。
なぜか上履きをはいて帰ってきた。あれ、どうしたの?
うちの子は5組XX番なのですが、下駄箱の場所を間違えて4組XX番の所へ入れていたらしい。そうしたら下校時になかったと。下駄箱の上に間違えて入れて余っていたらしい靴があったけど、それはサイズが小さい。ということで担任の先生に相談したら、明日隣のクラスにも呼び掛けてみるから、今日は上履きをはいて帰りなさいと。

高校は、先の丸い皮靴、色は黒、厚底ヒールやチェーンなど飾りのあるものは不可、運動靴は不可、と指定されています。
中学の時は逆で、ひも付き運動靴指定。革靴は不可。なんなのこの違い。
中学時代に通学で履きなれていたアディダスは使えないので、ローファーを買いました。それがなくなったと。高かったのに。あー、裏に名前書いておけばよかった。かかとに名前を書いたんじゃ高校生にもなってかっこ悪いだろうし、防犯上もどうかと思ったのと、靴の内側に油性マジックで書くにしても外も黒、中も黒だから黒黒で読めない。それでためらってそのままになってしまった。

黒の革靴は一つしかないので、そのことも相談したそうです。そうしたら、中学の時使っていた運動靴を当分使ってよろしいと。ただし、登校時に校門でチェックがあるので、その時は説明しなければならない。どう説明したらいい?
と聞かれたので、「一つだけの靴が下駄箱で行方不明中なので、みつかるまでこれで登校していいと担任の先生に言われました」と口上を伝授いたしました。

翌日。帰ってきたところに「見つかった?」と声をかけました。まだだと。
隣のクラスと逆隣のクラスにも先生から聞いて貰っているらしいですが、名乗り出た人はいない。「おかしいね、残っていた靴はきついんでしょう。だったら間違ってはいていった人はブカブカだから気づきそうなものなのにね」とおっしゃっていたそうです。

もしかして、このまま見つからない?えー高かったのに。16,500円もしたのに。
隣のクラスのXX番のところにいれたんだよね、と聞くと、「じゃあ、隣のクラスのそのXX番の子のところに行って、直接“靴間違ってませんか、サイズ変じゃなかったですかって聞いてみる」というので、まてまて、いきなりいくのはまだ早い。そうやって聞いてみるのはどうでしょう、と先生に相談してごらん、と言いました。

ふーん、どうしたもんだか。考えられるケースは2つだ。
一つは、未だに気が付いていない。ちょっとがさつかぼんやりしているか、そんな子が間違えて履いていった。
もう一つは、「へへー、ちょっといい靴じゃんもらっちゃお」とちゃっかりネコババした。
占有離脱物横領。

そこでもう一つアドバイスした。
あなたは早め登校するから、隣のクラスのXX番の下駄箱には朝、上履きしか入ってないと思うから、下校時にちょいと見てごらん。それから下駄箱の上に誰かが、これ自分のじゃないと自分の下駄箱から出した靴を置いている可能性もあるから、そこも観察してきてね。と言って送り出しました。

またまた翌日。
夕方留守番電話が入っていて、担任の先生からまだみつからないです、というメッセージが入っていました。なんだったら、ちょっとキツいけど余っている靴を消毒して、代わりにはいたらどう、と提案されたとのこと。でもきつめだからいやだと言ったそうです。そして下駄箱の上に余っている他の靴はなかったと。

うーん、これはもう見つからなさそう。しかたない。
上の子と一緒に近所のホームセンターへ出かけて、先の丸い、チェーンなど飾りのない、黒の皮靴を買いました。これで明日校門で説明する必要はなくなるでしょう。

いままで上の子には「高かったのに」という話はしませんでしたが、今度買った靴の値段は2,728円でまあ、なくなっても惜しくはない。本当になくなったらいやだけど。
5,700円のウォーキングシューズと「どっちがいい」と選ばせたのですが、ひも付きのウォ-キングシューズだと校門で質問されそうだから、ということで子供は2,728円のものを選びました。
実はねー、なくなった靴、ちょっと高かったんだよ。今度買った靴の5倍するんだよ、と愚痴ってしまった。

タグを外したらさっそく、靴の裏、土踏まずのあたりに金色油性マーカーで名前を書いておきました。これなら普通に歩いている分には見えないし、内側に書いて靴下が汚れる気遣いはない。誰かが間違って履いていったとしても、名前が書いてあるので“それは私のです”と言える。

あー返す返すも、名前を書いておけばよかった、と後悔しきりです。

その翌日夕方。
担任の先生から電話を貰いました。経過を説明してくれると。
「学校の下駄箱はダイヤルロック式で、最初に暗証番号を設定する形になっています。」

―え?そうなの。聞いてないぞ。中学校みたいに四角い枠が開いてるだけのタイプかと思ってた。

「初日はみんな設定に失敗する生徒が続出すると思って、教師二人が下駄箱に待機して、一人はマスターキーを持っていました。
それで設定に失敗して閉じ込んでしまう生徒に対応していた所、〇〇さん(=うちの子)が間違って隣のクラスの同じ番号の子の所にいれて閉じてしまったというので、そこをマスターキーで開けた所、何も入っていませんでした。
下駄箱の上には、多分自分の靴ロッカーに別の靴が入っているのに気が付いた生徒が出したと思われる靴が載っていたので、「これじゃない?」と見せたら、〇〇さんが「これは23.0cmだから小さい。私が履いていたのは少し大きめの23.5cmだから違う」というので、じゃあ間違ってはいていったんだね、今日はみんな大部分帰っちゃったから、明日声かけるよ、といって上履きで返しました。」

―え?23.5cm?確かに初日黒靴で出かける時、階段で配偶者が「なんかかかとがカパカパしてるよ、買ったやつサイズ大きくない?」と子供に声をかけたと。それに対して私が「いや足のサイズは測って買ったし、アディダスも23.0cmだし、本人はこれでちょうどだって言っていたよ」というやりとりを思い出した。私が買ったのはたしか23.0cm。23.5cmじゃない。

「それで翌日も隣のクラスと念のため逆隣のクラスにも声を掛けましたがみつかりませんでした。申し訳ございません。」

―その余っていた靴を、隣のクラスのXX番の子に「これあなたのじゃない?」て聞いて貰っていますか。

「それが、隣のクラスと、逆隣のクラスのXX番の子は、二人とも男の子なんです。
今日は、余っていた靴を消毒して、〇〇さんに持ち帰って使ってみたらと言ったら、そうしますというので持って帰って貰いました。合わなかったらすみませんが、よろしければ使ってみてください。今日はわざわざ新たに一足買っていただいたようで、余計な負担をかけてまことに申し訳ございません。」

この時点で、私はほぼ確証を得ました。後は帰ってきたら確認するだけです。

あ、帰ってきた。おかえりー。

今日も見つからなかった、という子に、持って帰った靴を見せて、といった。

やっぱり。

私が買ったやつじゃん。

予想通り、配偶者が「これゆるいんじゃない」と言われた記憶から、私が買った23.0cmの靴を23.5cm大き目と思い込んでいた。それで履きもしないで、まあ、他人の靴をいきなり履くのは気持ち悪いだろうから仕方ないけど、サイズだけ見て「小さいから違う」と言ったのね。

すぐに担任の先生に電話して謝りましたとも。
それに一足をずっと使っていると靴が傷むから、いずれもう一足買い足すことは元々予定していましたから。うちの子は思い込みで複数の大人にそれぞれ違うことをいう可能性があるのでご寛恕ください、と言葉を添えました。

大どんでん返し。自作狂言になってしまった。
誰か取り違えて履いていった、という所からスタートしたから、まったくの予想外でびっくり。普段からメタ思考メタ思考言ってた割には自分が全然できていなかった。オリエント急行殺人事件みたいだね、と子供には言っておきました。

でもまあ、戻って来てよかった。私ももう「高かったのに」って思わなくて済むわ。