かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

インベスターリターンって何なの

久しぶりに投信の記事です。他のブロガーの方の記事で、
投資家の「実際の儲け」を示す「インベスターリターン」、積立投資の広がりを示唆| モーニングスター
が参照されていまして、そこにトータルリターン、インベスターリターンの差というのがでてきます。
トータルリターンは、投信をずっと保持していた時の騰落率ですぐわかったのですが、インベスターリターンって何なの、と思いました。
モーニングスターによりますと

インベスターリターン
 トータルリターンと比較すると、投資家が実際に手にしたリターンは売買のタイミングによって異なります。投資家が実際に得た平均的なリターンを表す指標がインベスターリターンです。インベスターリターンは、金額加重リターンとも言われ、ファンドに資金が流入した時期の比重を高く、資産が流出した時期の比重を低くしています。あるファンドが多額の資金を集めると、流入後のパフォーマンスが金額加重収益率に与える影響は流入前のパフォーマンスよりも大きくなります。
 算出法(期間1年で、月次インベスターリターンを算出する場合)
 期初の純資産額*(1+r)^12+1カ月目の純流出入額*(1+r)^11+・・・+12カ月目の純流出入額*(1+r)^0=期末の純資産額となるrを求める。

ということで一応理解しましたが、人によっては「なんのこっちゃ」ですよね。

全ての月の利益率rを一定とし、複利計算により期末純資産総額に到達するものとします。期首の純資産総額が期末まで資金流出入がないとすれば、
期首純資産総額×(1+r)(1+r)…(1+r)=期末純資産総額
         (1+r)が12回
を満たすrを求めればよい。期末純資産総額―期首純資産総額=価値増加額を月利複利計算で増えたとして月利rを求めるということです。

ところが投資信託は、期中に資金が流入したり流出したりします。
上の図で1月目には純流出入額が増加しています。
この部分について (1+r)^残月数 を掛けて資金純増分も期末に向けた保有月数分で月利rの計算に算入します。
2月目には純流出入額が減少、つまり資金流出になっています。
この部分についてマイナス額に(1+r)^残月数 を掛けて期末へ向けて減った月数分だけ月利を取り消す形で計算に算入します。期首残高と前月までの増加分のうち、減少額だけ減少後の月数分だけ月利を取り消すイメージです。

期中の価値増加総量を各月の資金残高に応じて割り振るって感じですか。
この例では、期首から期末まで月利rを一定であるとして、月次インベスターリターンを年間騰落率から求めています。

仮に全員が期首から期末まで持ち続けていれば、インベスターリターンはトータルリターンと一致するはず。

実際には期中で新たにファンドの所有者となる投資家、売却して所有者から離脱する投資家がいるので保有期間ごとにウエイト付けをしています。
ところが、どこの期間を切り取っても月利rは同じ値を用いるので、1月から2月保有の場合でも、6月から7月保有の場合でも同じ利益になります。
しかし実際には、1月から2月の騰落率と6月から7月の騰落率は異なるので、言い換えれば期末に至る経路は無限にあるので、上記計算では必ずしも実際の投資家の利益とは一致してきません。

モーニングスターの解説では、各月の利益率を一定にしていますが、各月ごとの騰落率をその期間ごとの所有口数に割り当てていく、極端な話毎日の騰落率を毎日の口数に割り当てていくと、口数別の所有期間だけでなく所有時期の違いによる儲けの差も正確に配分されて、一口当たりのインベスターリターンの平均がでると思います。

解説ではあくまで月次インベスターリターンの計算が示されているだけで、記事からでは、どのような期間区切りで計算したのか、騰落率について月利複利=年間騰落率という仮定を置いているのかいないのかわかりません。

安値買いや高値売りの投資家が多い場合には高くなり、高値掴みや安値売りの投資家が多い場合には低くなる傾向がある。

インベスターリターンがトータルリターンを上回るインベスターギャップがある、という説明が出てきますが、
私の理解だとトータルリターンは投資家別の利益又は損失の総額に等しいから、ゼロサムになってしまうので、売却による実現損益を取り込まないと、インベスターリターンがトータルリターンを上回ることがない、という結果になってしまいます。

ここのところ、最初の数式の解釈がまずいのか、うまく導き出せていないですね。

間違っていたらごめんなさい。