かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

中古マンションは建築資材の都市ダムです

中古マンションの値上がりが止まらないそうですね。

出典:公益社団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202203_summary.pdf
それというのも、新築マンションの値段が高止まりしているから。さらに木材に続いて、鋼材、セメントなどの資材がのきなみ高騰しているから。
高騰の原因は複雑で、流通を担う作業員の高齢化、トラック運転手の不足、世界的な供給体制の見直しなど、複合原因らしいです。
https://www.asahi.com/articles/ASQ2S56F4Q2SULFA011.html
それにしても新築マンションの全国平均価格が5115万円とは。もちろん広さや平均をひっぱりあげる億ションの影響を考えると「平均的な家庭が買うべき家がこんなに高い」とは言い切れないものの、5年連続過去最高を更新と言われると大変な事態です。
給与所得者の平均年収433万円と言われて久しいのに、いったい誰が買ってんのってことですよね。だって手取じゃない年収の3割130万円をローンの返済に充てたとしても、5115万円÷130万円=39年ですよ。しかもこの計算には利子が入っていない。
https://diamond.jp/articles/-/292199?page=3
共働きで合算年収に高いカップルが買っているのかと思ったらそうでもないらしいです。転売ヤー、地方の富裕層、高齢者の節税、そして超パワーカップルの順らしいです。

そんなわけで新築好きの日本人が、仕方なく中古マンションへと流れていっている。そんな動向も感じられるわけですが、ここで中古マンションの価値見直しが進んでくるとよいなと思います。

一つは内装をきれいにして再販売する中古マンションは、新たな資材をそれほど使うわけではないし、骨格部分は耐震補強は必要でしょうが、基本は既存の物を活用する。これこそSDGsですよ。

フルリノベーションする人は、内装を全部取っ払って、スケルトン(骨格むき出し)状態から自分の好きな間取りや内装、水回りも好きな設備にしますが、制約がある。給排水の位置は大きく動かせませんし、共用部分との電気や電波の接合場所は変えられません。内装内で取り回しは出来ますけど。ここでも既存部分を使ってどう新しくするか、家主と建築家の頭の見せどころですが、全部壊して廃材を出し、新築して資材を一杯使うよりも省エネでしょう。

だから、中古マンションの見直しが進むということは、都市ダム、資材の都市ダムを建設するのと一緒だと思うのです。
使わなくなった携帯電話に、レアメタルが沢山入っていて、これを活用するのと一緒です。もっとも携帯電話を都市鉱山として活用するのは、どうやって安価に大量に取り出すのか、コスト的にも流通的にもまだまだ課題難題が多いようです。
資材の都市ダム、新築と中古でバラエティ。となると想像できるのが、「長期、分散」のインデックス投資といっしょじゃないか、ということです。

やっと言いたいことに辿り着きました。
レアメタル産出国が政情不安になって輸出ストップ、という時のバッファーに、育って欲しいと思うし、こうなると省エネだけじゃなくて、安全保障と価格安定にもかかわってきますね。
雨水桶から始まって、電気自動車や水素自動車が、停電時の緊急電気供給設備となるように、都市ダムをいろいろ作っていって、災害や世界情勢の緊張によりエネルギー死活問題が起こる際の多少のバッファーとなる。そんな世界を夢想します。