かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

DIE WITH ZEROは難しい

DIE WITH ZEROという本を読みました。

私なりにこの本を意訳しますと、
死ぬときに丁度財産を使い切るのが理想だよねー。100歳までにほとんどの人が死んじゃうのに、70代80代になっても資産が増え続けるのっておかしくね?お金の価値は肉体がしっかりしている時に使わないとさがるよ。経験にお金を使って記憶の配当を積み上げよう。子供達への援助はタイムリーにしよう。感謝のしるしや寄付をしたかったら運用でお金を増やしてからじゃなくて今すぐ。
こんな感じでしょうか。

健康寿命は生活寿命より短いし、肉体はどんどん衰えてくるから動けるうちに経験のためにお金を使うべきですよ、というのはわからんでもない。
子供たちへの援助も、子供たちが必要な時にすぐすべきだと。大学の学費が足りないならその時に肩代わりして払いましょう。奨学金で利息と返済に苦しんだ後、50歳60歳になって遺産相続で貰ってもね、一番苦しいときに貰いたかったわ、なんてのは大学の学費を自分で払うべきという神話が蔓延しているアメリカならではのエピソード。
年間受取額110万円を超えると贈与税が課せられてしまう日本では、そのまま真似をするとややこしくなりますが、生活費や学資を扶養親族のために代わりに直接払うのは贈与税の対象とならないですし、贈与税の申告は必須となりますが住宅資金贈与の特例、教育資金の一括贈与の特例というのもありますので、税制を理解して贈与を実行する環境はあります。
問題は、死ぬときに丁度財産を使い切るためには、生活費もろもろを賄うためにいくら自分の手元に確保しておけばよいのか、範囲がよくわからないところにあります。

私は定年の1年2か月前、58歳10か月でにかけこみリタイアしました。アーリーリタイアじゃありませんけど、FI=ファイナンシャルインディペンデンス=(意訳:これからは一生働かないでも金融資産の上がりと貯金で生活費はなんとかなる)は見積もり計算しました。
誕生月に送られてくる年金定期便。50歳未満ですと、それまでの掛け金に基づいた65歳以後の年金支給額が掲載されていますから、その時点でFIREしますと65歳からはその金額が年間の年金額になります。
50歳以上になりますと、60歳まで同様の掛け金を払い続けたとすると65歳から貰える金額が書いてありますから、50歳以上でFIREすると65歳から貰える金額は年金定期便に書かれている金額より少なくなります。ここ注意ですね。
https://ideco.kddi-am.com/learn/column/ideco0040/
年金定期便を見て、子供が独立すれば年金額で生活費は賄えそうだと思ったので、じゃあ58歳10か月の今から65歳までの生活費と子供の学費を確保できているか。金融資産を合算して確認し退職。
その後60歳の時に来た年金定期便では案の定、減っていました。60歳までのの間に掛金払わない期間がありましたからね。またマクロスライドの影響もありました。
それでも、死ぬまでの年間生活費はなんとかなると見積もり。

問題は予期せぬ出費。つまり後期高齢者になってからの医療費や介護費用、終末医療、老人ホームの費用はなんだかブレが大きそう。
DIE WITH ZEROでは70代80代になっても財産が増え続けるのはおかしいだろ、減り始める地点をとっくに過ぎてるじゃないか、とおっしゃいますが、じゃあいくら確保しておけばいいのか、皆目見当がつかない。毎月毎年の減り具合がどの程度ならいいのか、毎年平均余命*1を見て、生活費×平均余命を残して後は使っちゃうのか。でもそれだと突発支出に対応できていないですよね。
という堂々巡りが展開されます。

趣旨はよいのですよ。恐怖心からため込んでばかりいないで、使えと。
子供へのタイムリーな支出ということであれば、投資の種まきとしてジュニアNISAやってますし、子供の学費も塾代も惜しまず支出しています。
自分の経験のための支出はどうかといえば、こちらはどうも、あまり使っていないですね。生来のケチなのか、将来が不安だからケチになってしまったのか、それはわかりませんが、来し方この人生をいきなり変えるのも難しいので、少しずつ。
たまには贅沢してみますか。
という何ともはっきりしない結論で申し訳なし。

株100%で死んだら相続すればいい、というようなことを言っていた人もいたと思います。確かにリスク資産だから評価額は上下する訳でそれだけ残ってもいいという割り切りもいいですね。

*1:ある年齢の人がその後平均的に死ぬまでの年数。0歳の平均余命を平均寿命と言います。