かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

高校の保護者会(1)

一昨日2022.6.18の土曜日、上の子の通う高校の一年生保護者会に出席しました。
最初に全体会、その後クラスごとに分かれて、2時間ほど。
講堂に着いたら、椅子がクラスごとに縦2列に並べてあり、一番後ろの椅子の背に〇組と紙が貼ってありましたので、所定の場所へ座ります。
全体会では、校長挨拶、学年主任の報告、進路指導、生活指導の話がありました。

進路指導部主任からは、まず2022年3月卒業生の進学先。大学90%、短大1%、専門学校9%、就職はゼロ。
つい自分の時と比べてしまう。50年近く前なのに。
私の時は大学に行く人のほか短大へ行った人も多かった。女子だけでなく男子も短大にいってから四年制大学編入したり。就職は公務員が多かった印象があります。

次に、大学入学共通テストの変更。「情報」が増えて5教科7科目から6教科8科目に。
年よりのノスタルジーですが、共通一次第一回目を受けたんですよねー。社会と理科は選択式とはいえ2科目受験必須で私大文系が3科目で済むことを考えると負担感はあったけど、結局科目が多ければ勉強範囲が広い代わりに他の受験生も同じく範囲の広さにひーひー言っているわけで、特定科目が深くできなくてもカバーできる面もあったと思います。

で「情報」ですが、何もねえ、小手先の技術を受験科目にするのはやめていただきたいですね。いろいろな職業がなくなり、かつ、生まれてくる時代の変化を泳ぎ渡るために、高校卒業後すぐに特定職業へ弟子入りすると、独り立ちできる頃にはその仕事の需要がなくなっていた、なんてことがあるからこぞって大学進学を志向するのでしょう。
そしたら目先の技術を受験科目にするのではなくて、長年の人類の英知である生物・物理・化学・地学・論理・古典・異文化外国語・歴史・確率統計・代数・幾何といった土台となる知識の受け渡しにもっと重心を置くべきだと思う。十年後にプログラミングの形なんて絶対変わっているはずだから。教えられる人がいるのかって疑問も当然でています。
もちろん、人の手でしか磨くことができない技術習得に邁進するという道もありますが、これは高校出てすぐに取り掛からないと間に合わないってわけじゃない。平均寿命も延びていますから。だったら進学先に端的に結果が表れている通り、リベラルアーツをしっかり自分のものにしてからさらに自分の専門を決めて特化していけばいい。
ついでにいうと、人の手が生み出すもの、感動を与えるもの、は機械に置き換えができないと思っていて、芸術や工芸、料理といった道が好きであれば是非挑戦をしてもらいたいなと思いますね。もちろんこの場合の「好き」は、気がついたらそれで時間を埋めていた、位にのめり込んでいないとダメでしょうね。
知らず知らずのうちにのめり込んでご飯が食べられるようになっていた、というのは理想ですが、大半の人にとってそれは難しい。そうすると途中で真剣にキャリアを考えて、転向するか周辺の職業に就いて生きていくか、貫くけどご飯を食べられるような形を自分で考えるか。私のように平凡人が就職してからキャリアを考えるみたいな世界とは一足先に厳しさが待っている世界なのかな、と想像いたします。

音楽が好きで、高校時代に音大にいくことをちらっと考えたこともあったけど、他のまわりに音楽をやっている人たちと比べてすら自分に才能がないことは分かってしまったし、それが分かったうえで飛び込んでいく覚悟もなかった。
今はへたな趣味で細々と続けていますが、時折へこみつつも自分の成長を信じて取り組み続けていますので、それはそれでよかったと思います。

もう一つ言うと、ルールを実行する側ではなく、ルールを作る側にいければ職業人生としては更によいかと思います。ルールを作るというのは、高級官僚になるとか政治家になるとかだけではなく、自分だけのニッチを切り開いて職業として成り立たせることも含みます。あの人じゃなければ、あの人に頼みたい、といわれる人に我が子がなってくれればなあと、若干高望みな気持ちもあります。

さて脱線しまくりましたが進路指導。「大学受験は、親御さん方の時代と違うのは勿論ですが、2,3年前共違いますので、是非新しい知識を仕入れて臨んでください」と言われました。
私大に推薦制度による入学が5割超えているのはなんとなくわかっていましたが、英検で受験に置き換えられることは知らなかった。しかも合格不合格だけではなくスコアが提示されてそれで受験の数値に利用されるとは。
「高校一年生で準二級、二年生で二級をできれば取得して準一級合格も視野に入れてください。不合格でも何回か受けてスコアアップを狙ってください。実際不合格でもスコアを採用して貰って大学に合格した生徒もいます」「部活に宿題小テストに高校生は忙しい。隙間時間を活用して」と言われた所で考え込んでしまいました。

そんなに起きている間に全部の時間を割り振って活動して、それが大学、就職、と続いていって忙しく暮らすのって、そんなに幸せなのかなぁと。一生アリさんみたいなイメージでどうなのそれって。
自分が中高生の時どうだっけ?勉強勉強言われてたけど、部活が終わってから近所の公園で野球したりだべったり牛乳屋さんへ行って冷えたフルーツ牛乳飲んで店のおばちゃんと話したり、大学では勉強もしたけどバイトしまくっていた。それで卒業させてくれたなー。今はきちんと授業に出てレポート書かないとだめなようですね。
子供たちを見てると、勉強時間はそこそこで、体と気持ちを休めるためにyoutube見たり絵を描いたり好きなことをやってますから、いくら勉強勉強いったって強制もできないしそこまで特化できなさそうな様子を見てると、親とどっこいどっこいだなと思います。

進路指導の先生は一年生の時から危機感をもってほしい、準備は早ければ早いほどよい、という気持ちで煽ってくるし、それは当然だろと思いましたが、煽られて動く親としての自分と「でもなにもそこまで」と思う自分と「煽ってせいぜい実行できるのはここぐらいかなー」と思う自分がいて、なかなか面白い心境の経験でした。