かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

覚えるってどんなこと?どうやったらできる?

憶える、暗記するという姿勢で学習に望むのは苦痛です。苦痛だと脳は反乱を起こす。みなさんも身に覚えがあると思いますが、嫌々やって続いたためしがないでしょう。一夜漬けで詰め込んだ知識は、翌日の試験終了と共に川の下流に流れ去って行っていませんか。洪水でやってきた知識は怒涛のように川下に消えて行っていませんか。

私も暗記しなければ、ということで繰り返し口ずさんだり読んだりということを試験前日に必死にやりましたが、点数に結び付いた記憶はない。苦痛なうえに、覚えると思うと試験範囲が限られているにせよ、あまりに膨大な量でくらくらしてくる。爾来そのやり方からは遠ざかってしまいました。

大体覚えるとはどういうことなのか。すらすら内容が口から出てくる、すらすら文章にかける。そうではないでしょう。
憶えたということは、必要な刺激を受けた時に、連想で思い出されるということです。それでこそ知識や情報が有用で価値があることに始めて気が付く。脳は膨大な量の記憶を貯めておくことができると思いますが、必要な際にさっと取り出せることこそが肝要。

そういえば脳は連想が得意です。いい国作ろう鎌倉幕府1192年ではないですが、脳は連想でこそ作動する。この場合、連想の作り方が変かもしれませんが脳は面白い、と思えば覚えてくれるもの。その好例と言えましょう。
ちなみに、1192年は源頼朝征夷大将軍に任じられた年であり、実は鎌倉幕府自体はそれ以前から段階的に成立していたとする学説が有力になっています。1180年~1185年あたりが成立年なのかもしれません。いい箱作ろう鎌倉幕府1185年になりつつある状況だそうですよ。

話を元に戻しますと、短期記憶と長期記憶の間に関所として頑張っている海馬という期間は、繰り返しやってくる刺激を「これは大事だから長期記憶に入れないといけないのかぁ」と認識して通してくれる。そこにおそらく価値判断はありません。だから円周率を延々と暗記できる人が出てくる。
最近の学習法研究によれば、「時間をおいてから繰り返す」学習方法が知識の定着に有用であるということが実験によりわかってきています。

時間をおかないで繰り返すとどうか。これは一度に大量の食事を摂取するのと同じ。北京ダック状態。どうなるかといいますと、下痢します。摂取した栄養素は血肉とならずにそのまま外へ出て行ってしまう。こういう比喩を用いると納得しやすいと思いますが科学的ではない。でも経験上ご納得いただけるのではないかと思います。短期刺激の波状攻撃では海馬君は長期記憶への門を開けてくれないのですね。

ところで上の子の中学時代、社会科の先生が歴史小テストで間違った箇所は、答えを10回ずつ書き取りするのを宿題にしていました。つまり全問正解すると宿題はないわけ。
これ私凄く無駄だと思っていて、文脈の中で言葉の意味を位置づけなければ歴史を学ぶことにならないから、再度テスト用紙を配って、何も見ないで回答し丸付けし全問丸になるまで繰り返せばよいなと思ったのですが、それでテスト用紙と解答を配っても丸写しするやつがいるから、しかもそれを確認できないから仕方ないのかな、と思いましたね。
だから、解答を丸写しするとテストや受験の時に困るよ、という意味を浸透させる必要があるのだけど多分一部の中学生には通じないな。絶対聞き流してその場が過ぎればいいと思っているヤツがいる。現にいた。お母さんに問題集の解答を取り上げられていたそうだ。

もやもやしたまま上の子は中学校を卒業して、そういうアホな宿題は自然消滅しましたが、これ、今こそICTの出番だと思いました。
学校からタブレットが配れているので、宿題としてテストを再度やらせる。答え合わせは解答を音声と文字で流して飛ばすことができないようにする。解答解説を閉じないと再度問題はできない。間違った問題だけ残して再度やらせる。全問正解するまで宿題が終わったことにならない。
これなら先生のチェックも簡単だし、解説を何度も耳から入れさせるので学習効果は高いと思うのですがいかがでしょうか。
宿題の形式が、先生が後でやったかどうか可視化できるものに限定しなければならない都合でアホな形式になっている。それをICTで制約をとっぱらう、どころか進化させる。だって目標は「わかるようになる」ことですから。
ICTを利用して、目で耳で口で手で、鼻は出番がないけど五感をフルに使って学習する方法へ導く時代に来ていると思います。