かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

渋谷駅で、いきなり非常停止ボタンを押した人

渋谷駅でトラブル「山手線止めてんだぞ」JR東日本駅員“激怒”動画が拡散し物議。きっかけは財布を落として“緊急停止ボタン”その正しい使い方とは?(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
あらすじは上記URLをご覧いただくとわかりますが、
乗客が渋谷駅のホームから線路に財布を落とした。
乗客が線路に下りたり、拾いに行こうとするそぶりを見せた。
駅員二人が気が付いてあわてて制止にいく。
駅員、乗客の話を聞く(重要!なのにここのやり取りをなぜ報道しない?)
乗客、いきなり非常停止ボタンを押す。
駅員、逆上。(重要!なぜか乗客によりここから動画撮影されている)

このボタンを押した人が撮影した動画をこうやってニュース映像に載せちゃうのはどうかと思います。しかも本人SNSから削除済だそうで。
駅員が怒鳴っているけど、怒鳴っている内容自体はうなづける内容だし、怒りが収まらないから多少脅しになっていると思いますが、ここまで乗客側=冷静、駅員側=昂奮、という図式で編集された映像なのに、見た感じ、それほど駅員側=悪、という印象を私は受けませんでした。
・多分、わざと怒らせて動画撮影してるから、財布落とした割りには冷静な態度を装えるんじゃないの。
・この動画を取る前のやりとりはどうだったの?駅員さんをそんなに怒らせるなんて
というネット民の感想が上がってきたから、自分の意図した印象に持っていけないと判断して乗客は動画を削除したんじゃないでしょうか。
ドラレコや監視カメラが普及したから、裁判上の言った言わないの不毛な議論がシャットアウトされたり、逃亡犯が迅速に足取りを掴まれたり、と公共の場所での撮影は、プライバシーの侵害だ、という批判をはるかに超えるメリットをみんな享受していると思います。
反面、こんな切り取り動画をニュースにしちゃうということも発生する。一方の意図を拡散するような行為は報道機関としてどうかと思います。他のコメントを見る限り、その意図は疑問が呈されているようなので、まあ問題としては良識の範囲に収まって来てよかったなと思いますが、たかだか山手線1本が2分遅れた程度のことで、ニュースがいっちょあがりされてしまった。
撮影動画が転載されなければ、ベタ記事だったでしょうね。
さて、今後の在り方としてはどうなるか。
スマホですぐに撮影されちゃうことはもう避けられない。
しかし撮影した本人が拡散したとしても、本人の意図とは別の読み方をされて、本人が逆に炎上対象となることもある。
こうしたことが徐々に学習されるのではないでしょうか。
客や相手方が撮影するのであれば、今回の場合JRも撮影しておいたら、という考え方もあります。
でもやめておいた方がいいかな。やり取りを正確に再現するために撮影、という考え方もあるけど、そうすると「その場のいきおい」まで空中に消えていたはずの言葉が文章になってしまう。そうなると文字としては同一かもしれませんが、与える印象は文章になったことばから各人が受ける印象次第になってしまう。
せいぜい固定カメラで俯瞰位置から撮影する程度にとどめておくといいでしょう。
もちろんそれすら、公開なんて絶対ダメ。あくまで当事者同士の争いごとでの言った言わないを文章にする危険は前段落で述べた通りですが、人の動きは録画する価値があります。すこし時間を置いて、第三者を入れて調停の話し合いをする場で、当事者の発言内容と意図をお互いに開示しあったところで、動きの動画で裏付けをとる、という程度に留めないといけないと思う。
わざと怒らせてから、怒り始めた時点から動画を撮影する、なんてことをする人が出てくるかもしれない。そうするとやり取りが切り取られている以上編集が入っていると言える。そして人間昂奮してくると、売り言葉に買い言葉になってしまう。そこで足元をすくおうというか、自分にとって有利な状況の証拠に使おうという考えも出てくるでしょう。
映像で当事者の口から語られていることが全体の事柄に沿った真実であるか、語っている本人の相手に伝えたいと思っている意図であるか、発した後に相手にどう受け取られるか、三者三様ではないですが食い違っていると思っていた方がよいです。
映像でも“真”を“写”しているわけではありません。読み解く力が試されます。