グレッグ・マキューン「エッセンシャル思考」かんき出版

なに、仕事が忙しすぎる？そりゃ頼まれたことみんなやろうとするからじゃないの？断りにくいって？いやいや、それって自分を有能だと思ってもらいたいとか、相手をがっかりさせるのがいやだとか、いい人だと思われたいとか、そんなこと考えているでしょ。
じゃあ聞くけどさ、それでよい仕事はできたの？みんな喜んでくれた？なに浮かない顔してるの。来た仕事をこなすだけで精いっぱい、質の事なんか考えられないって？疲れて帰るから子供や配偶者と一緒にすごす時間も削られているって。
まずね、有能だとみられたいとか、断って相手ががっかりする顔を見たくないとか、そういう見栄を張った考え方は捨てなさいよ。
何を一番先に手を付けるかじゃなくて、何をやらないかを考えて。あなたのところに持ち込まれることすべてをあなたがやらなきゃならない義理はないでしょ？「私は時間がない」といってきっぱり断る。そこから考えたらどう？
次に一番重要なことに手を付ける。どれも最優先事項だって？だめだめ、本当にやらなければならない大事なことがわからなくなるのはね、優先順位を時間をかけてじっくり考えていないから。十分な睡眠をとってすっきりした頭で、何が大事でやらなければならないことなのか、何は些末でやらなくていいことなのか、しっかり考える時間をとることさ。
忙しすぎて時間がない？そうじゃないんだ、それは押し寄せてくる「やるべきように見えること」をこなしているだけ。だから質が落ちていないかい？やらなくてよいことはきっぱり切捨てる勇気をもたなきゃ。そのために“考える時間”を取ることが大事なんだ。
大丈夫、“考える時間”をとって、優先順位の低いことをぜーんぶ、やらなくてよいことに押しやってしまえば“考える時間”をとったことで逆に時間が得られることになるんだから。
そして家族のことだ。それ以上大切なことがあるかい？こちらに割く時間は「自分から作り出していくこと。」だからますます“やるべきこと”“やってはならないこと”をしっかり考えることが一層大切になるんだ。
自分の幸せはなにか、ということを考えてごらん。昇進すること？給与が上がること？資格を取得して転職すること？もちろんそういったことを第一順位にしてもかまわない。だけどそれに十分な時間をとって成功へ導くためには、時間は有限なんだから、「何をすべきでないか」を考えて大胆に切捨てていかなくちゃならない。
第一順位が家族や自分の健康だったらなおさら。大切な人を守りそのための時間を取るためには、やるべきでないことから遠ざかる、これが一番大事だよ。
という行動の断捨離をして、能力が向上してみんなが喜んでくれる、時間をとって家族が喜んでくれる。幸せになるための、時間の作り方、上手な断り方、優先順位の決め方、自分の行動を知らず知らずのうちによい方向へ変えていくやり方、そんな提案がぎっしりつまった本です。

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