かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

オール・カントリーの複利効果を推計

eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)の設定来基準価額を利用して、複利効果の程度を評価してみたいと思います。

先日の記事で株式投資信託の複利効果は、基準価格を押し上げる要因が投資先株式会社からの配当金だけではなく、株式の時価上昇にもよること、株価の上昇は株式発行会社の利益状況と必ずしもリンクしないこと、株式発行会社はそれぞれの配当政策により当期利益又は繰越利益からどの程度配当するかまちまちであることから、定期預金のように簡単に測定できないというお話を申し上げました。

今回の記事は、オール・カントリーの設定日2018.10.31から最新日2022.8.19までの基準価額を用いて複利効果を疑似的に測定する試みです。
オール・カントリーは設定来分配を行っておりませんので、基準価額と分配金再投資後の基準価額が現在までのところ同額です。

・方法
基準価額のある924日のうち、一年後の応当日の前日に基準価額のある日を抽出する。
つまり暦に従って営業日から一年後の営業日があるデータを抽出しました。620データ。
それぞれ一年後にどれだけ騰落したか騰落率を計算します。
騰落率の算術平均を出します。
それで一年間保有していた場合の平均的な騰落率が計算できました。

計算表の最初を掲載して具体的計算を説明します。

まず設定日2018/10/31は一年後応当日前日の2019/10/30が営業日ではなく基準価額がありませんから除外。次の2018/11/1の一年後応当日前日の2019/10/31の基準価額が10,999円だったので、10,999÷10,077=1.091495 と騰落率が求まります。
この計算を620個行い、得られた一年後騰落率の算術平均を計算したところ、
1.197937018
となりました。
次にデータのある全期間、2018.10.31~2022.8.19まで持っていた場合の騰落率を計算します。これは簡単で、

2018.10.31 10,000
2022.8.19 17,630

17,630÷10,000=1.763 と出ました。
ところが2018.10.31~2022.8.19まで1,389日ありますので、先ほどのデータと比較するためには、一年間の騰落率に引き直して計算する必要があります。
(先ほどの一年騰落率平均を1389/365で複利計算しても比較できますが)
10,000×(1+騰落率r)^(1389/365)=17,630 と立式し、未知の騰落率rを求めます。
未知数rに指数がついているので、対数変換しないとだめかなあ、と悩んでおりましたが、力業、エクセルのゴールシークを使って
1.160673131
と求まりました。

ランダムに1年間保有していた場合の平均騰落率…1.197
最初から最新日まで継続して保有していた場合を一年間に引き直したもの…1.160
3ポイントほど劣後しています。
3年9か月保有が1年保有に3ポイントほど劣後する。
推計条件を重ねて計算した結果なので、断定的なことは言えませんが、株価の上下動が複利効果に影響していたとだけは言えそうです。