かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

所有株を売って恒久NISA口座で買い直すべきか

新新NISAか恒久NISAか、略称は決まっておりませんが、骨子が発表になりましたね。
・2024年から
・一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAとは別口座で出発
・生涯非課税枠1,800万円
・一年あたり投資上限、つみたて適格投信:120万円、成長投資枠(個別株など)240万円
・売却した場合、購入価額(簿価)分は生涯枠が復活する
こんな感じですね。
既に投資を開始している私含む投資家のみなさんにとっては、
「今既に一般口座、特定口座、つみたてNISAや一般NISAで持っている分をどうしようか」
ということが一番の関心でしょうか。
これについては、縞縞猫さんがtwitterで素晴らしい答えをくださいました。

最後S2=S1+Atr1 でAが抜けていると指摘されていましたが、それは些末なこと。要にして簡潔に示していただきました。式の意味するところは、
今まで持っていた騰落率に関係なく、課税口座の分を売って非課税口座で買い直すのがオトク、ということです。この“これまでの騰落率にかかわらず”というところがとても重要です。最後の式に今までの騰落率r0は登場しません。ここ大事。
さらになまずんさんが
恒久NISAが始まったら特定口座の投資信託を移行すべきか? | なまずんの「弱者のゲーム」――20代からの資産運用実践録
でさらに解説してくださっています。特に

なお、運用期間については、恒久NISAに移したあとに短期間しか運用せず、評価損の状態で運用終了になった場合は、買い直しの際に支払った税金の一部を損する結果になります。ですので、移行すべき条件の前提には、移行後に含み益が出る必要があります。

というところも大事。非課税口座は、配当や分配金非課税、譲渡益も非課税、そのかわり譲渡損はなかったことにされます。

一般・特定口座で80万円で買って時価100万円になっていたものを売って、20万円×20.315%の税金を払って、ほぼ同時に非課税口座で100万円で買い直したとします。
その後に110万円で売って譲渡益が生じたのならば、110万円―100万円=10万円が非課税で現金になって終了ですが、90万円で売って譲渡損が生じてもなかったものとみなされるので損益通算もできません。20万円の譲渡益に対して税金を払ったのに、そのうち10万円分に対応する税金が払い損に終わる、その可能性があるということです。

さらにもっと前の段階、一般・特定口座で含み損が発生している場合に買い直すと、その年の配当や分配金、譲渡益と損益通算しないと、非課税口座で持っている間に含み損が打ち消される額まで回復するまでは譲渡損の取戻しができません。
例えば、一般・特定口座で80万円で買って時価75万円になったところで売ると譲渡損5万円が生じます。これを特定口座内の配当・分配金・譲渡益と自働で相殺するか、一般口座で持っていた場合や別の証券会社の特定口座と損益通算するために確定申告しないかぎり、非課税口座で買った75万円のものが、80万円以上で売却して5万円分は譲渡益非課税ですよ、という状態にならないかぎり損のままだということです。

一般・特定口座で含み損であろうが含み益であろうが(=r0がプラスであろうがマイナスであろうが)、非課税口座で含み損の取戻しが出来さえすれば損は帳消しだし、非課税口座で含み損の回復ができない又は新たに含み損が発生した段階で売却した場合はどっちにしろ損を切り捨てることになります。ただし非課税期間は生涯続くので我慢していれば回復する可能性はかなり高いです。

既に所有している株や投信については、
・一般NISAやつみたてNISA口座で持っているもの…非課税期限まで所有継続
・一般口座や特定口座で持っているもの…恒久NISAに組み入れたいと思った所で売却して課税を受ける
生涯枠1800万円では足りなそう、というときは
・つみたてNISAを2022.12.31までに一般NISAに変更して、2023年は一般NISA枠で買う、2024年からは恒久NISAで買う。一般NISAで5年間非課税で保持した後、恒久NISAで買い替えるか特定口座へおろす。
という考えもあります。
※5年後にさらに5年のロールオーバーができるのか、その場合は恒久NISAの年間投資上限を使ってしまうのではないか、という疑問があります。追加の情報を待ちたいと思います。→梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
NISA拡充・恒久化の内容が確定、金融庁でのブロガー座談会速報 - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)によりますと、
※5年後にさらに5年のロールオーバーはできない、ですので恒久NISAの年間投資上限はまったく無関係です。(2022.12.16 20:48追記)