かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

成田悠輔さんバッシング

イェール大学助教授の肩書でネットにやたら出てくる成田さん。かなりあからさまに攻撃と受け取られかねない曲げない主張をし、直後に本人に礼儀正しく謝ったりして、言っていることもとてもまとまっていてタダ者じゃないな、と思って楽しんでいます。
テレビにもかなり出ているようですね。ということはテレビで危ない線はネットより相当後退した安全地帯と思うけど、それでも安心して使える人材ということなのか。

最近のバッシングは2つありました。

一つは池戸さんとのabemaTVでの激突。
日本は他の先進諸国が軒並み経済成長しているのに一つだけ停滞。その処方箋として池戸さんが「通貨発行権があるんだから国債日銀引き受けして政府支出をどんどん増やせば経済成長しますよ」という趣旨の内容を離している所に激しくかみついて「じゃ、日本国民全員働かなかったとして年百万円ずつ配ってパチンコしてたら経済成長するんですか、インフレになって終わりじゃないんですか。経済成長ってそんな簡単に実現できるものじゃないんですよ」という趣旨の反論をした。
これにネット民の一部が「成田さん化けの皮が剥がれたな、マクロ経済素人じゃん」というバッシングが起こる。
GDP=民間消費+民間投資+政府支出+(輸出―輸入)
だから政府支出を増やせばGDPは自動的に増える、というのが池戸さんの主張。
これに対して成田さんは、意味がないと思ったのでしょうGDPの定義の議論は飛ばして、「それで経済成長が出来たっていえるのか」とかみついた。
私の感覚では、GDPが名目値で増えるのは間違いないけど、インフレーションが起きて実質値が変わらない、あるいは悪化することだってあるから、池戸さんそれは論理の飛躍でしょう。

もう一つは、イェール大学助教授の肩書に関するもの。
assistant professorは、日本のなんちゃら定義で「助教」だから会社で言えば期間雇用のパートみたいなもんでしょう。経歴詐称だ、というやつ。
確かに、アイヴィーリーグの一つ、イェール大学助教授だから、これだけあちこちで引っ張りだこになっているということは間違いない。すわ、経歴詐称か。ショーンK再来か。
と思って記事を読んでしまいましたが、え?日本の訳語がたまたま助教だからって、論拠になってないじゃん。そもそもアメリカでは職制や待遇がまるで違うでしょう。アメリカの職員構成や契約を調べて「非常勤だ」とか「沢山いて短期雇用だ」とか言うのならともかく。
そっと閉じました。

私も、彼がイェール大学助教授だから、という肩書で「だからあんなまとまったことを言えるのか、言語化も思考もすごいな」と結び付けて考えているところは否定しません。

でも私が面白いと思う根幹は、なんといっても、肩書ではなくて「自分では思いもつかないような、物の見方をして、それが納得できて新しいものの見方を自分も手に入れられた、すごーい」と思う時です。啓蒙。蒙を啓く、自分の無知に光が当たって少しだけ世界が広がる。それを面白いと思うし、ネットや読書にしろそれだけを求め続けて生きていると言ってもいいかもしれない。

というわけで、二つともよくわからないまま尻馬に乗って非難するという浅はかな展開にいかなくて済んだのは幸いでした。
モノによっては、文章がわかりにくくて読むのが面倒くさい記事でも、その要約を読んで「けしからん」「間違ってる」なんて即断して、”いいね”を押したりしないよう、自分の頭でよくよく吟味してから判断しよう、と改めて思った次第です。