かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

ヘラルボニー

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ヘラルボニーに名前を初めて目にしたのは、成田悠輔さんのこの動画です。
お兄さんが知的障害で、そこが出発点の松田崇弥さん。
www3.nhk.or.jp
ニュースアップにも取り上げられていますね。
障害者アートをライセンスする事業。最初は障害者福祉、社会貢献といった分野で見られて大変苦労したそうです。
確かに、障害者という物語をつけて売るのはずるいんじゃないのと一瞬思いましたが、そう思われがちなのは松田さんずっと感じていて、特別視されるのは変だ、アートの素晴らしさで勝負したいという活動を続けていく中、少しずつ事業が回り始めたそうです。
ライセンス事業と言うのもいいと思う。私の経験ですが現役時代デザインにひかれて買ったフランス製のネクタイ、縫製がダメですぐ型崩れしてしまった。デザインはいいのにーと思いながら二度目はなかった。だから製品にデザインをどういう形で取り入れるか、衣服や鞄なら縫製や仕上げは別のプロの手を経て完成度がずっと高いから、結局は長く使ってもらったり長く売れ続けたりする可能性が高いです。その辺農業の六次産業化*1とは別の動き方ですね。
少し考えてみて「このデザイン障碍者がやったんだよ」という物語がついていてもいいんじゃないの、と思えた。なぜなら、ブランド品を買う時だって、品質も少しは気にしているかもしれなけど「〇〇だから」「〇〇製よ」という物語を消費して満足している自分がいるじゃないですか。ブランドの物語を消費して喜ぶんだったら、障害者アートを消費して喜んだって問題ない。「あー社会貢献してる」と自己満足に浸ったって、それを他の人に言ったって全然問題ない。だって、絵でも服でも鞄でもネクタイでも、本当に気に入って使っていて気持ちがよければずっと使うだろうし、「これ障害者アートなんだよ」と言われた方だって「へー」と言った後に内心で「これは素敵」と思えば買うし、思わなければ買わないから。
最後は作りとデザインがしっかりしているかどうか。そこで売れ続けて事業が残るかどうか決まります。
きっかけは社会貢献でもまったく構わない。満足できる商品なら持続可能ですよね。
そして「障害者応援してんだ」という気持ちで買ったけど、即座に使わなくなってしまえば、本当に品物がいい、使ってみたいという気持ちじゃなかったんでしょう。自分の偽善者ぶりが露になるというわけで。

*1:農作物を生産(一次産業)して加工(二次産業)して販売(三次産業)するところまで一事業が一貫して行う形態のこと。1+2+3=6次産業と呼ばれる。