世界を数学的に把握する者たち – 橘玲 公式BLOG
数字で世界を把握して判断や行動に役立てている人々。
私もやっています。
・リスク資産/安全資産比率を60%以上にしないこと。
年初から株高となり、リスク資産割合が60%をかなり超えたので、2月下旬から3月上旬にかけて個別株や株式投信を売って割合を下げました。
・客観性のある数字を把握すること。
・その数字に基づいて行動すること。
この二つを揃えると、
・思い込みによる判断間違いがない。
・情実決断力意志薄弱を乗り越える武器となる。
思い込みについては、現役時代のことでいまだによく覚えていることがあります。
ある人の起案から決裁を仰いでお客様へ提出までのプロセスが遅くて何回か苦情になったことがありました。そこで末端管理職で決裁の一部を担当していた私が、他の人も含めてスループットの時間を計測してみた。
そしてわかったこと。
その人の起案から決裁に持ってくるまでの時間は他の人とさほど変わらない。心持遅いかな、ぐらい。
じゃあなぜその人だけ苦情になるほど遅くなるのか。
さらに分析してみると、サーバーからとったデータだけで作れないような難しい案件を率先して、何なら他の人のものまで引き受けてやっていた。
決裁でデータ照合をしていたため、いくつかこなしていくうちに案件の性質にすぐに気が付いた。そこで、さらにさかのぼって調べてみると、受付からデータを揃えて形作って起案するまでの時間が余計にかかっていた。決裁文書には、起案の日時からスタートするので、その前段階のことは書類だけ見ても分からなかったのです。
例として適切かどうか疑問はありますが、データを取っているうちにそのデータにひそむ原因が浮かび上がってきた。
もう一つの、意志薄弱を乗り越える武器になる、というか武器にする、ですけれども、
個別銘柄を眺めていたら、株価収益率悪くないし、配当性向も、とか、投資信託を眺めていると信託報酬も十分低いし、今売れば利益が大きくて譲渡益でもっていかれる税金も大きいよなあ、なんて思いが浮かび上がって来てちっともすすまない。
それより、全体の数字でリスク取りすぎ、さあ、どれを売るんですか。
と数字が背中を押してくれる。そこであらためて自分なりに、持っていたい銘柄、手放してもよい銘柄の優先順位付けへ進む。
情実で入口に入る前にうろうろしていなくて済む。
数字で判断する、数字を使いこなして迷いを断ち切る。そのためには数字の成り立ち、性質もよく考える必要があるし、一度納得したら自信をもって数字に突き動かされてみる。これ大事ですね。
「自由」を恐れ、「合理性」を憎む日本人 – 橘玲 公式BLOG
その次の記事もなかなか面白いですよ。