かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

テスラの株式分割に寄せて 米国株・米国籍ETFをお薦めしないわけ

テスラ(TSLA)が株式分割をするとのニュースがでました。2020年8月に分割して以来2年ぶりです。前回↓

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これは楽天証券の取扱い方、証券会社によって微妙に違います

これは前回の分割の時の楽天証券のお知らせですが、赤字の所をご注目。
株式の所有範囲や権利に変動が生じるような動きを、コーポレートアクションといいますが、米国株ではこれが時々起こります。起こるとどうなるか、特定口座とNISA口座で見て見ましょう。

特定口座の場合 https://faq.rakuten-sec.co.jp/2014014
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先ほどの2020年8月のテスラの株式分割では、整数倍だったので対応可、ですからニュースの赤字の通り、一般口座に払い出しは行われませんでした。

NISA口座の場合 https://faq.rakuten-sec.co.jp/2843002
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NISA口座の場合、こんな感じ。1株未満株式と売買単位未満株式の場合は強制売却されます。株式分割の場合、よくわからないのは、「すでに保有されている株式は引き続きNISA口座でお預かりします。一方、権利処理により、新たに付与された株式は、一般口座でのお預かりとなります。」の文言と、表の「分割 NISA口座対応可能」をどう読むのかよくわかりません。例えば1:5で分割された場合、分割後の5株全部がNISA口座にとどまるのか、1株はNISA口座にとどまり、4株は一般口座に払いだされるのか。

これらのコーポレートアクションは、米国の株式だけでなく、米国籍のETFでも行われることがあります。
先ほどの2020年8月のテスラでは、
楽天証券の場合、②整数倍の分割だったため、特定口座又はNISA口座から払い出しされることはなかったのです。
ということは、これが
非整数倍で分割だったり
スピンオフだったり
すると、強制売却されたり、一般口座に払いだされたりしてしまうのです。

ですから、米国株や米国ETFをお持ちのかたは、ご自身の口座をお持ちの証券会社の取扱いをよく見ておくとよろしいです。
大体とんでもなくわかりにくい場所にありますから、グーグルで「〇〇証券会社(←お持ちの口座の会社名を入れてください) 米国株 特定口座 コーポレートアクション」などと検索すると出てくるはずです。

一般口座に払いだされるとどういうことがおこるか。
強制売却されたら、確定申告が必要になってきます。また一般口座に払いだされた株式を売却して譲渡益が発生した場合も確定申告が必要です。課税方式は申告分離課税となります。
例外的に、①所得金額の合計額が所得控除の合計額より少ない、②1か所からの給与の支払いを受けている人で、年収が2千万以下(年末調整があるひと)、③公的年金等の収入金額が400万円以下、の人に限っては、その他の所得金額、ここでは譲渡益と配当金が該当しますが20万円以下の場合、確定申告不要制度が適用できる場合もあります。

ただしこの場合でも、住民税は申告が必要になってきます。

源泉徴収有の特定口座であれば、その中で発生した株式譲渡損を配当と相殺して終わりにしたり、総合課税や申告分離課税を選択したり、住民税の申告不要制度を選択したりできますが、一般口座では、自分で損益計算をしないといけない上に、以上のような要件判定をして、当てはまれば申告をしなければならなくなるので非常に面倒です。
株の売買は特定口座・源泉ありで、特定口座・源泉なし、一般口座は使わないことです。

特定口座から払いだされる前に売ってしまう、というのも一つの手ですが、この手のコーポレートアクションは、発表後「やーめた」となることすらあるので、発表後はいつ権利関係を確定するのか、売買が一時停止になるのか、しょっちゅう見ていないといけなくなる。

このような面倒があるため、米国株の購入は、そのあたりの知識習得と行動を厭わない人にしかお薦めしません。
また米国籍ETF
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/company/newsrelease/pdf/press20220330_02.pdf
楽天証券では、最近、QQQやSPYDなどの買付手数料無料のものを増やしました。
「それなら買ってみようかな」思う人が増えると思いますが、お薦めしません。その理由は、
・ドル転で必ず売買差による為替手数料が取られる。
・買付手数料は無料でも、売却手数料は無料ではない。
・ドルで分配金を貰うと円転する時に為替手数料を取られるし、ドルのまま複利効果を狙って株式を追加購入しようとするとかなりの株式数を持っていないと貰ってすぐ再投資するわけにはいかない。ドルと円を混ぜて購入する手段もない。
・米国源泉税を取り戻そうと思うと確定申告が必要。またその人の年間所得次第で全額戻ってこない可能性がわりと高い。
・日本籍ETFなら、分配金支払い時に外国税額控除計算をして日本の源泉税額が少なくなってくれる。
楽天証券の買付無料ETFに従来から入っているSPYは、コード1557で東証に上場している唯一の米国籍ETFですが、分配金支払い時の外国税額控除銘柄から除外されていることにも注意してください。
・S&P500、全米株、ナスダック100、ダウ平均といった指数を対象とするファンドやETF、米国籍ETFを買うだけのファンドなど、円建てで購入売却できる低コストインデックスファンドが沢山ある。

現在では、わざわざ米国株や米国籍ETFを買う必要性は薄くなってきたといえるでしょう。
ドル建ての株式やETFを所有して通貨分散をしておかないといけないのでは、と思っていらっしゃる方もいると思いますが、為替ヘッジなしの外国株へ投資するインデックスファンドや日本籍ETFであれば、外国通貨建ての資産を持っていることになりますから、そこですでに分散できています。
まあ、ドルベースでの評価額が大して上がっていなくても、円安のせいで資産が増えているように見えたりします(笑。