かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

宗教は心のサービス産業ですから、特別扱いをやめましょう

「宗教はなやめるもののため息であり、民衆のアヘンである」とマルクスは書いていますね。適量使用すれば心が軽くなるけど、のめり込むと毒だ、という風に読めます。
というか適量使用して心が軽くなるのは一時的なもの。根本的な悩みの原因がなくならない限り服用を続けてのめり込むのは必定。
現実のどうにもならなさとか、死の恐怖という心の動揺に対して「こうすれば心が安らかになりますよ」とか「信心すれば死後はすばらしい世界にいけますよ」と心を軽くする産業として人間自身が作り出して来た“心のサービス業”、それが宗教だと私は考えます。
神という一見超越的な存在も、人が作り出した幻影に過ぎません。
考えてみるとずるい産業ですよ。心を軽くする教義を提供するけど、現実の苦しさをどうにかしてくれるわけじゃないから、心が軽くならないです、という訴えには「信心が足りないからです」「もっと祈りなさい、もっとお布施しなさい」と言っておけばいいのだから。死の恐怖を軽くするというサービス提供も、死んだ後で戻ってきた人はいないから死後の世界でどのように扱われているかまったく証拠がない。「あんなにお祈りして寄付したのに地獄に行ったじゃないか」と苦情を言って金返せ、といわれることは未来永劫ないわけだ。すごいねー。提供しているサービスに瑕疵があるから金返せって絶対言えないもんね。ずるい産業だね。
勿論宗教法人同士で、信者を獲得する激しい競争はあります。
時々通る道沿いに新興宗教の立派な建物と敷地がありますが、きれい、重厚、地味に見えて豪華、何をやっている所なのか概観から想定しにくい神秘性あふれる感じ。こういう装置が信者獲得にはとても大事な雰囲気、装置なのでしょうね。
30代の頃、職場の先輩が信心している新興宗教の集まりに誘われて参加したことがあります。沢山人が集まって座って、前の説教壇に上がった人のお話を聞くスタイルですが、心の持ち方みたいな話をして、それが仕事やお金や家族がうまくいくための秘訣だ、みたいな、うんとはしょるとそんな内容のお話。
お会いする主催者側の人も信者の人々も、とても感じがいい。ここもポイントかな。
別に入ることを強制もしないけど、入ると仕事ももっとずっとうまくいくし出世もできる的なことは匂わされた。なんだか職場にもネットワークがあって、○○の信者だということが伝わると、それだけで信用があるから上の階級に引き上げて貰えるようなコネになる、というようなことを直接言われたわけではないけれど、こちらはそう解釈できるようなお話ぶりだったように憶えています。
それで話を戻しますと、心の不安につけこむ、じゃなかった、心の不安を軽くするためのサービス業なんだから、宗教法人の宗教活動に対しても法人税の課税対象として、他の産業と平等に扱うべき、というのが私の意見です。
現在の法人税制では、宗教活動で得られるお布施などの収益は非課税、物品販売などの収益事業に特掲されている部分のみ課税という扱いになっています。
宗教法人の宗教活動に直接必要な土地は固定資産税がかかりません。
貸している土地の地代が本則固定資産税評価額の3倍以内なら、固定資産税はかかりますが、収益事業とされないので法人税の課税対象外です。
という具合に、税制上非常に恵まれています。
宗教活動も激しい信者獲得競争がありますが、信者からいくらお金を吸い上げても税金かからないから、そりゃ信者獲得に血道を上げますわね。
そして信者を得るには、素晴らしく(みえる)宗教施設、うっとり幸せを招いてくれそうな力強くも心地よい説教、そして権威の力を借りること、が作戦となってきます。
昔、とある準大手宗教団体のパンフレットを拝見する機会があったのですが、これがすごい。全ページオールカラーで無線綴じの立派なものであることは想定内ですが、中の写真も、豪華な施設、伽藍?、講堂のようなもの、緑あふれる広い敷地又は玉砂利の敷地、そしてですね、世界各国の要人と思しき人々と握手している教祖の写真。そうこれ。
テレビでよく見るようなエラい人が教祖と握手している。
これが信用度をぐっと上げてくれる道具立てなのです。
だから政治家は宗教法人に利用されることにもっと気を付けた方がよいですよ。
宗教団体から講演依頼があって出かける。ちょっとは持ち上げて話をする。
これで大量の信者への印象付けもできるし、団体本部が次の選挙で私への投票を呼び掛けてくれるだろうとの皮算用。宗教団体としては、政界の大物に来てもらってパンフに乗せれば新規信者の獲得への力添えとなるし、いざとなったら口利きや個別に行政ともめたら仲裁に入ってもらおう。ということでウインウインと思っている。
まーでもね、宗教はアヘンですよ。一度のめり込むときりがないという点でもね。
芸能人は麻薬の誘惑に気を付けないといけない。麻薬の売人にとっての上得意とは、失うものが多くてお金をたくさん持っている人。麻薬をやっていることをひた隠しにしつつ、どんどん麻薬にお金をつぎ込んでくれる人こそベスト。貧乏人に麻薬やらせたって、すぐ金が尽きて警察にかけこまれちゃいますからね。売人が虎視眈々と狙うのは芸能人。
同様に宗教団体が虎視眈々と狙うのが政治家。
だから政治家のみなさんも、票になるからといってほいほい訳の分からない宗教法人のもとめに応じて講演なんかしない方が良いですよ。向こうは、政治家のみなさんが得られるよりはるかに大きな利益を得てやろうとおもって読んでいるんですからね。
そうそうアヘンついでに中国のアヘン戦争(1840-42)の原因について軽く触れておきます。
インド洋を超えてヨーロッパ世界が世界中を植民地とする帝国主義が大流行になったころ、イギリスでは中国のお茶が非常にもてはやされたので、多額の銀を払って中国からお茶を買うようになったが、産業革命で大量生産できるようになった綿織物は中国では全然売れない。これでは銀が中国に流出するばかり。そこでイギリスは植民地インドでケシを栽培させ、アヘンを中国に密輸してこっそり大量に売りつける。中国ではアヘンが広まり、インドに銀がどんどん入っている。そしてイギリス製の綿製品をインドに押し付けてイギリス本国へ銀を回収。清は銀の流出で財政難、庶民のアヘン中毒の害もみのがせず香港へ林則徐が乗り込んでアヘンを没収・廃棄。それにイギリスが反発して戦争となった。