かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

田内学「きみのお金は誰のため」東洋経済

年取って年金が不十分だ。じゃあずっと働かなくちゃいけないのか。
ドル円がこんなに安くなって今までの貯蓄で同じような生活は営めるのだろうか。
こんな不安を感じて、貯蓄では不十分、じゃあ投資をしましょう、とインデックス投資家である私もあなたに言いたい所ですが、ちょっと待って。
この本は投資本ではありません。ノウハウ本でもない。
「お金とはいったい何なのか」改めて足元から考えるきっかけをくれる。全ての方が手に取るべき本と思いまして、ここにご紹介します。

お金の三つの真実

全編小説仕立てで、図もグラフも数式も出てこないから気楽に読んでね。
巨大なお屋敷に住むボスが明かすお金の正体、三つ。
一、 お金自体には価値がない。
二、 お金で解決できる問題はない。
三、 みんなでお金を貯めても意味がない。
この三つの謎を解き明かしながら、お金を正体を語っていきます。
生活のため、老後のため、子供の教育のため、私も皆さんも倹約したり節約したり稼いだりしながらお金を貯め、投資運用でお金に働いて貰って増やす。そのこと自体は否定されるべきでないし、社会生活を営む一員として当然かつ合理的な行動です。
しかしながら、詳しくは本を読んでいただきたい。
きっとお金に対する考え方がちょっと、いやガラッとかもしれませんが、変わります。
もちろん貯蓄投資行動が変わるとは思いません。
でもきっと見方が変わります。
私も従来から、お金を貯めているけど、それを他の人に渡して、代わりにその人が喜んで物を譲ってくれたり、サービスの提供、労働をしてくれたりしなかったら、お金なんて何にも意味がない、とは思っていました。
しかしながら、この本では、
お金はみんなの間をぐるぐる回っているだけで全体の量が増えることはないんだよ、むしろ、作物や製品を作り出したり考えて新しいサービスを生み出したりすることの方がよほど重要だ。失敗した投資は、お金をドブに捨てているんじゃなくて、人の提供した労働、材料、エネルギーなんかをドブに捨てることなんだ。だから投資は儲からなければ意味がないんだ。
というお話へと進んでまいります。

お金の誤解がもたらしたもの

三つの謎に続いて、格差は悪いことか、国債は借金か、お金の奴隷にならないために、といった内容の謎が展開されます。章立ては格差の謎、社会の謎、最後の謎という名称になっています。特に国債を外国人が保有している場合については、作者から読者へ解明の宿題が出されていますので、これは、と思う方は考えてみてください。
私は、山崎元さんが亡くなる前に「たかがお金のこと」とおっしゃっていたことが心に共鳴しつつ読んでおりました。

つづく

また、アベノミクスは失敗だったけど、なぜ失敗したのか自分なりに答えを得ることもできました。
次の記事ではこの本を土台にそのことを語ってみたいと思います。