かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

マイナス金利は効果あったの?

以下述べることは、私の中の論理思考だけで構成され、経済学の知見の裏付けは一切とっていないことをあらかじめお断りしておきます。

日銀の補完当座預金制度は、市中銀行が余計に当座預金を入れたら利息をつける制度ですが、2016年1月〜2024年3月まで、マイナス金利付き量的・質的金融緩和政策が採用され、当座預金の一部にマイナス金利が付されることになっていました。

マイナス金利とは、市中銀行が日銀の余計に当座預金を入れると、利息を引かれてしまい元本が目減りする。
日銀が「私の所に預金を積んでいると利息とるよ。だったら引き出して貸した方がマシじゃない?」と促しているわけ。

だったら日銀から資金を出して貸付を増やすか、というとそんなことはなかったわけで、例えば2022年7月16日~8月15日にマイナス金利が適用された9030億円のほぼ全てをみずほ銀行が差し入れていました。
みずほ銀行にマイナス金利適用 運用難で日銀当座預金増 - 日本経済新聞
金利を取られるよりマシだから貸し出ししちゃおう、にはならないです。いくら低金利で貸すことが可能でも、元本が戻ってくるかどうか怪しい先になんか貸せない。それだったらいっそのこと日銀の利息を取られた方がマシ、という判断があったということ。

また、本来日銀に利息を払わないといけないマイナス金利であれば、市中銀行は、当然預金者からも利息を分捕るのが理屈ですが、さすがにそれはできなかった。預金は逃げちゃうし景気回復しても信用ないから預金者は戻ってこないでしょうから。

結局マイナス金利で日銀は些少な利息を吸収させられただけで、量的緩和をいくらしても、貸し出しは増えなかった。

現在は超過準備と呼ばれる余計に当座預金を入れた部分にマイナス金利が付される部分はなくなり、2016年よりも前の状態と同じになっています。
金融政策としてマイナス金利は無力だということですね。

プラス金利なら、市中貸し出しが多くなって景気が加熱した時に日銀が「当座に戻せば利息上げるよー」とか「国債売るよー」「法定準備率上げるから、当座に戻してねー」とか市中に出回る現金の量を日銀に引き上げる手綱を握っていられる。市中資金量の減少や日銀当座利率を上げ下げすることで貸し出し金利に影響を及ぼすことができます。

でもマイナス金利で逆のことができるかというと、やっぱりできなかった。
金融緩和政策は日銀の政策金利がゼロに近いところまで下げる範囲でしか、働かない。