かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

外国債券投資は必要ないですか

山崎元さんはなぜ外国債券投資は無駄だというのでしょう。
トウシル2018.7.4なぜ個人のポートフォリオに外国債券が不要なのか?
media.rakuten-sec.net

外国為替市場では、通貨の交換比率と金利がセットで取引されているので、高金利の通貨をロング(買い持ち)しても、低金利の通貨をロングしても、母国通貨ベースで期待される利回りは基本的にはどちらが高いとも言えない、という理解が基本である。
 この基本的な理解に立つと、「外国債券は、国内債券と比べて期待リターンが高いとは言えないのに、そこそこの大きさの為替リスクがあるので、リスクに対するリターンの割が悪いから持たなくていい」と説明すると、おおよその感じを伝えることができる。

うーん、よくわかりません。通貨の交換比率と金利がセットで取引されているというのは、高金利通貨の国は、期待インフレ率が高いということですよね。
現在の日本の金利がゼロ近辺に張り付いていることが、対外国通貨に対する円の評価とセットであると考えて、それから時間が経過して高金利通貨の債券運用で表面利率の高い利息を手にしても、その分だけ円高になっているから、結果ゼロ近辺になると予想しているってことですよね。
金融論的な長期経路はそれで納得しますが、現在の対外貨に対する円の評価が歪んでいるっていう可能性ありますよね。現に南アフリカランドなんて、2020年5月中旬では5円台までランドが下落していたのに2021年6月現在8円になっていますよ。

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出典:MINKABU

現時点を点でとらえた時に過大評価になっているのか、過小評価になっているのか、ほぼ理論値なのか、わからないと思います。
ただし目的は市場のひずみにつけこんで儲けることではないし、過大評価になっていたらそれこそ見込み違いです。
為替変動経路を通じて裁定が働いていて、日本の金利と実質価値がゼロ近傍だとします。そうすると金利ボラティリティは、各国政府の金利誘導姿勢によって決まるということになりそうですね。そうすると日本はマイナス0.1%*1下限張り付きという特殊な状況で、不自然に下落を止められていると考えると、実際の日米金利差はもっとあるはず、だったら日米金利差の調整を通じていっそう円高になると予想できます。
ただ米国の政策金利は、日本の政策金利よりボラティリティは大きいから、どうせ為替変動の荒波を味わうのなら外国株式クラスでいいんじゃね、ということならわかります。
個人の債券クラスは、おとなしく10年国債変動でよいでしょう。
もう一つ債券クラスの存在意義は、株式クラスと逆相関になることですが、先の山崎さんのページから国家公務員共済組合連合会の令和元年度業務概況書に飛ぶと、17ページの相関係数、外国債券クラスは外国株式クラス、国内株式クラス共に逆相関になっていません。f:id:otosak:20210615172128p:plain
https://www.kkr.or.jp/shikin/r01_4q_k.pdf
となると、セオリー通り、ちょっとでも市中金利が上がれば債券価格が下落する、そして株式と逆相関であるという存在意義ももはやない状況。外国債券クラスに投資する理由はないです。

といいつつ、外国債券投資をあきらめていないのであった。

*1:2021年5月の米国FF金利は0.25%、日本の政策金利マイナス0.10%。