かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

尻に火がつかないと動かない

マクロ経済に知識も知見もあるわけではありませんが、ここ三十年間を俯瞰してみると、日本法人が「法人税率さげろ、出ないと日本から出てっちゃうぞ」と政府を脅して、政府が法人税率を下げたものの、そのままだと歳入欠陥を更に国債で埋めるしかなく、だったら将来の直接税減少に備えて消費税シフトだってことで消費税率を上げ、結局日本法人は、現地子会社というかたちで実質日本から出て行ってしまい、内部留保の積み上げと消費税の重税感だけ残ったというところではないかと思っています。
新規投資を果敢に行うでもなく、法人税率の減税に胡坐をかいて、改革を怠った。
個々の企業がどうこうではなく、全体の傾向として、制度のぬるま湯のせいで誰も重い腰をあげようとなんかしない、ということが明らかになっただけです。
勝間和代さんが「私みたいに英語ができるようになりたい?私はね、別に英語が得意でも何でもないんですよ。コミュニケーションツールとして英語ができなければ首になっちゃう。そういう環境にいたせいなんです。」とおっしゃっているが、そういうこと。
法人だろうが個人だろうが、尻に火がつかないと動こうとしない。
高橋洋一さんが、「国債残高がGDPのン倍?別に気にすることないない。日銀は日本政府の子会社だから、連結したら負債の国債は、発行通貨の資産でどっちも相殺されているから問題ない」という趣旨のことを言っていたと思いますが、国債が日本国内と日銀で消化されて市中に現金が出回らない、退蔵されているからインフレにもならない。
金持ち高齢者を中心にデフレが長期継続してきたので現金の価値が目減りせず、安心して現金を退蔵してきた面もあるでしょう。
そうして出現したぬるま湯を国民経済が許容しているから政府も安閑としていられるのだなと思います。
昨今の円安進行ですが、色々危機感を提示する人の声が大きいです。
貿易収支が赤黒スレスレ。かつての輸出大国ではないのだから、円安による輸入物品の価格上昇が消費者や原材料購入でボディブローになるから、一刻も早く是正を、とか。
資本収支の黒字のほとんどは日本法人の現法子会社の内部留保で、実質送金できないし送金するつもりもないお金で還流なんか期待できないんだから、一刻も早く是正を、とか。
日米金利差を縮小して一刻も早く円安を食い止めろと言いますが、金利誘導ってどの程度できるのかしらん。
輸入に頼る割合が高いから、円安で物価が上がって生活が苦しくなる、だから円安は悪いことなんだ、輸出企業にアメを与える以上の悪影響が強いよ、という見解は大いに首肯いたしますが、じゃあどうやって防ぐんだ軟着陸するんだ、という所に至っては、有効な経路を理屈でも思いつくことはできませんでした。