かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

親が死ぬ前に実家の片づけはできるか

出来ないと思います。
いきなり結論持ってきてなんですが、私の実感です。
年取ってくると身の回りの物品の整理はどんどんできなくなってくる。掃除もゆきとどかなくなってくる。
この辺は実際に目の当たりにしている方も多いと思います。
親の生活している所へ乗り込んでいって「少し整理しようか」と言っても、まず激しく拒絶される。激しくなくても、「これもういらないでしょ」と個別の物品を持ち上げて提案しても、何やかや「使う可能性がある」という話が出てきてやんわり拒絶される。
身の回りの変化が負担になるのか、なじんだ物と共にある状態が落ち着くのか、感覚が鈍って埃に鈍感になっているのかわかりませんが、うちの親は、現状を変えようとする気はまったくありませんでした。これはすっきりさせたいけど気力がないというのではなく、すっきりさせようという気力がもうわかなくなっていたのでしょうね。
友達の親は、通帳とか不動産の権利証とか、大事なものをすべてでかい金庫、移動できないあの重い奴ですよ、それに入れたあげく開錠番号がわからなくなったそうで。
「業者呼んで壊してもらいなよ、親が元気なうちに壊さないと、きっと面倒なことになるよ」と言ったのですが、その後どうなったやら。
いつまでも元気だと油断していると、体は元気なのに頭がぼけて物取られ妄想が出てくるとか、友人の話のように、どこに何をしまったかわからなくなってきたりする。
こうなると残置物が埃をかぶっていることより、金融資産の全体像や不動産の権利関係書類といった、相続で問題になるたぐいのブツでとても面倒なことになります。
私の両親の場合は、財産の分け方も家族会議を開いて意思統一してくれたし、借地権は元気なうちに処分してくれたし、権利証などをまとめて置いてある場所は教えてくれていた。銀行預金は何も教えてくれなかったけど、書類用のキャビネットがあってそこにすべてまとめられていたため探す必要はありませんでした。おまけに古い世代ゆえ、キャッシュカードを作っていなかった。ハンコで下せる。いやいや、窓口に行くと本人じゃないことが即バレなので引き出すことはできませんでしたが。
通常は親が死亡した時が相続開始の時になるから、それから10か月以内に相続税の申告をしなければならない。税金がかかる場合だけですけれどね。
相続税の申告が不要であっても、相続人が複数いたら遺産分割協議をしないとならないし、そうなったら財産の全体を把握しなければ話し合いも始められません。
人によっては、近隣の金融機関に相続人であることが証明できる登記簿謄本を持って、ひとつずつあたっていったみたいな話も聞きます。
私の両親のように、銀行預金は通帳が必ずあって、キャッシュカードは持たないなんていう状態なら、実家を家探しすれば理屈上はなんとかなりますが、この都会の片隅にある小さな家ですら残置物満載でまだ処分が終わらない位ですから、田舎にある大きな家だったらそりゃもう悉皆探すなんて考えたくもない気がします。
まあ処分が終わらないのは、大体肝心なところが片付いたら急に私のやる気が失せたのが最大の原因なので、あまり参考にならないお話ですけれど。
ネットわからない、信用していない世代の両親でしたが、それでも父親は競馬の電話投票システムを使っていて、預金を解約しておろそうと思ったら、電話投票システムの解約を先にやらないと引き出しできません、と言われて驚いた位です。私のちょっと前世代あたりから、口座引き落とし、クレジットカード位までは通帳を見ればなんとかわかりますから何とかできるでしょうけど、通帳のない銀行預金や、カード番号のないクレジットカード、ネットバンキング、それからサブスクリプションですね、こういったどこ見たらわかるの?という問題が大きくのしかかってくるのは目に見えています。
私はネット上にマイページがあるものは定期的に見直して解約しているし、URLとIDとPWも一覧表にしていますが、残りゆく人々に迷惑をかけないためにも、無形のものは特に注意して管理してわかるように残していく、そんな終活もこれからは大事になっていくと思っています。