かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

植田日銀の緩和継続について

news.yahoo.co.jp
タイトルが大げさすぎます。
植田総裁は、確かに2%以上物価上昇しているけど、秋にはまた下がると予想されるから金融緩和をやめないです、と言っている。

それに対してプリンストン大学の清滝教授は、金融緩和やめましょうよ、だって欧米じゃ金融引き締めしても物価上がっているし円安を通じて目標値超えの物価上昇してるじゃん、緩和は持続的成長にならんし、1%以下の金利でないと採算取れないような事業はクソだ、デフレになりやすくなるだけじゃないの(この文言はすべて私の脳内変換による意訳で生み出されたものです)、と言っています。

国債の表面金利が上がれば既発債の価格は下がる。*1すると銀行の保有国債に多額の評価損が生じる。住宅ローンの変動金利も上がる。影響が大きいからもう少し我慢だ、というのが植田総裁の“総合的判断”なのでしょうね。

でもね

現在は2%を上回っているが、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰していくもとで、今年度半ばにかけて、2%を下回る水準までプラス幅を縮小していく

って無理じゃね?

価格転嫁の影響は減衰するとは思えず、コストプッシュを受けて恐る恐る値上げていた事業者も、利幅を確保するために、おそるおそる値上げを継続するとしか思えない。

私は、30年デフレだったのがコストプッシュ要因とはいえインフレに転化したのだからこのチャンスを逃さず量的質的緩和を止めて、金融政策の手段を取り戻すべきだと思います。政策金利で住宅ローン変動金利が動くったって、ライバル行の動きをみてコスト吸収で低め金利を取ることだってあるでしょうし。

このままだと目先つぶれる企業や銀行は少ないかもしれないけど、膿を温存しているままだからゾンビ企業はどっちにしろ長期的には倒れていく宿命にある。だったら金融政策が動けるうちに少しでも動いて正常化への道筋を模索するべきだと思います。
マクロ政策は、個々の限界企業の立場からすると非情・冷血に見えるかもしれませんが、全体に毒が回ったままではみんないいことないと思うんです。潰すべきところは少しずつ潰れてもらって人を流動させないと、我慢した膿が一気に破れて大混乱という危うい未来に賭けることと同じじゃないでしょうか。軟着陸できる予定なんかないし。

*1:100円で発行された利率1%の国債があったとします。ここで新発債が利率2%で発行されると、既発債を買う人はいなくなる。既発債の売買価格は50円まで下がる。50円出して1円の利息、つまり2%になるところまで既発債の価格は下落する。