かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

嫉妬の反対側にあるもの

もう一つ中間管理職だった時代の話をします。
何も事件が起きなかった夕方は、窓側一列に机を構える課長連中だけ残っていました。組合も本社もうるさいので、闇残業なんてもってのほか、限りある残業予算も繁忙期にとっておくため、普段はほぼ強制的に部下を帰します。結果、残業代のつかない課長以上ばかり残っていました。
部下がいるとできない仕事や、やり残した仕事をしたり、悩みやお願い事、部下に関する愚痴なんかも話し合う時間。結構好きな時間でした。
日が長くなってきたある日、S課長が私の席にやってきました。私の横に腰かけると、声を潜めてこんなことをいうのです。
今年転勤してきたD課長、隣の席のF課長にいつもわからないことをきいていたんだけど、ここのところF課長の所ではなく、おとはなさん(=私です)の所ばかりに行くもんだから、F課長が面白くないって顔をしてますよ。
私は苦笑いしながら、えー別にそんなことはないでしょう、と言いました。
確かにD課長は、私のところによく聞きに来ますが、だからといって、他の課長の所にもたくさん聞きにいっているかもしれない。私も日中はすごく忙しいから、よその課の人々が何をやっているのかいちいち見ているわけじゃないし。
それに、私の仕事の前処理を担当しているF課長には、いつも頼みごとをしにいきますが、特段態度が変わったようには思えないし、いじわるをされたこともない。
S課長からは、そんな風に見えるんだなと思いました。
後日、他の課長との話で出たのですが、S課長は、なんでも見たことを悪い風に解釈しがちで、ちょっとという意見があり、確かにそんな傾向があるなあと私も思ったものですから、F課長の事も悪い方向に捉えすぎなんじゃないかなあ、と思いました。

しかし今、改めて思い出してみると、問題はS課長やF課長の事ではなく、私の「苦笑い」に含まれていたもの、そこにあるということに初めて思い至りました。

嫉妬されていると思うと、わたしはうれしいのか。